また「大勢で騒ぐのが好きだ」「他人と協調していくのは苦にならないほうだ」についても肯定する回答が多い。対人関係には自信を持っているようであるし、良好な友人関係のなかで楽しんでいる様子がうかがえる。
さらに、家族関係についても「家族と一緒にすごすのが好きだ」が6割の肯定を得ている。これは現在「同居」しているか「ひとり暮らし」であるかに関係なく、特に女子で肯定されている。先述の「家族の過大な期待」には否定する回答が多かったのと併せて考えると、現代若者の「親世代」とは異なる親子関係の一面を表しているといえる。
「新しいことに取り組むのが好きだ」「流行に敏感なほうだ」も肯定されている。この二つの回答は正の相関がみられる。「責任感が強いほうだ」を75%もが肯定していることは注目に値する。これへの回答は「家族と一緒にすごすのが好き」と強い相関がある。若者の自己イメージはなかなか良いようだ。「たくさん働けばたくさん見返りがくると思う」「自慢できる特技や趣味を持っている」も6割前後がそう考えている。
リーダーシップをとるのは苦手で、経済的には恵まれていないと考えるものの、友人や家族とは良い関係を持ち、責任感や特技・趣味には自信あり、とする若者像が浮かび上がってくる。つぎに、図表1-14で、学生アルバイター・フリーアルバイターの別および性別にさらに詳しく検討しよう。
すべての項目で学生アルバイターの方がより肯定的である。特に「仕事に生きがい」と「たくさん働けばたくさん見返り」という仕事への考えの違いが目につく。学生アルバイターの方が仕事について甘い見方をしているともいえる。また、否定的回答が多かった「経済的に恵まれている」では、学生アルバイターでは肯定する回答の方が多く、フリーアルバイターと対照的な回答である。これは「アルバイトをする理由」で、両グループで収入の使途に差異があったことに関連するだろう。フリーアルバイターでは、「恵まれている」とするものは22〜27%で、学生アルバイターの54%を大きく下回っている。