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もしれない。

最後に、私達に人体の構造のすばらしさを教え、そして献体することの大切さを教えてくれた御遺体、そしてそれを認めてくれた御遺族の方々に心から感謝しています。どうもありがとうございました。

 

解剖実習を終えて

 

小池 清美

 

「御遺体に対し黙祷」という先生の声が実習室に響き渡ると、静寂と緊張感に包まれ目を閉じている私はいつも胸が熱くなりました。自らの手で人体の構造を学ぶという期待、緊張、不安、未知の事柄への好奇心、そして御遺体への敬意、感謝、責任、いくつもの感情が、はちきれんばかりに膨らんだ風船の様に私の心を支配して涙がこぼれそうになります。

黙祷が終わると、実習室の雰囲気が一変して活気に満ちます。多くのことを見たい、知りたい、自分のものにしよう、頑張ろうと決意するのです。毎日、予習・復習、五、六時間の実習と体力的にも精力的にもきつく、一週間が解剖実習中心の生活です。だから、毎日「今日だけ頑張ろう」と自分に言いきかせるのです。しかし、実際に目の前の筋や神経、血管等の人体組織を見ると、ただひたすらに探求していました。「どのような構造になっているのだろう、知りたい!。という感情に取り付かれるのです。そして、いつも

 

 

 

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