この方式の長所は、鍵の配送は公開鍵のみを公然と行うことが出来たり、公開鍵であるから、その管理は容易であることであり、短所は、一般的に暗号・復号化の処理時間が長いということであろう。
(2)公開鍵暗号方式のもう一つの機能
公開鍵暗号方式は上で述べた「暗号・復号」の機能の他にもう一つ、「認証に利用できる」という特徴がある。
これは先の公開鍵、秘密鍵を逆に活用することで可能となる機能である。
例えば先ほどとは逆にBさんからAさんにデータを送る場合、Bさんは(自分だけが知っているBさんの)秘密鍵を利用して平文を暗号化し相手に送り、Aさんは(公開されているBさんの)公開鍵を利用して暗号文を復号化し平文を得ることができる。
この場合、復号するための公開鍵はAさんだけでなく誰もが知り得るものだが、暗号化できるのはBさんだけが知っているBさんの秘密鍵のみであるため、この通信はBさんが送信したことが証明できるのである。
この機能を利用したのが電子署名である。