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ここを切り替えないと紙に埋もれた行政を脱却することはできません。

 

5-4 運用後のバグや修正に対する対処について

 

導入したシステムに対し、運用開始後1年間の管理瑕疵を求めています。その期間内であれば、双方の協議により了解されたものは、受託者に品質保証してもらう形になっています。ただし現在までのところ、障害としてバグが判明するより前に、システムメンテナンスとして適切なバージョンアップが定期的に行われ、その中で改修され完成度が高まっていくようです。良質で経済的なサービスを受けるためにもカスタマイズ部分を極力減らし、デファクトスタンダード的ものに準拠することが望まれます。しかし運用当初は標準的仕様で満足していたものが、運用に慣れた後に「この方がより使い易いから」という改修要求が必ず出てきます。原課の言い分は理解できるのですが、変更すればカスタマイズ対象になるので対応に苦慮しているのが実情です。

法改正などの修正も、カスタマイズ部分は単独で負担しなければなりませんが、共通部分はバージョンアップの保守対象になるので、その金額差がしばしば財政課を混乱させます。作る時は従来の業務の流れを重視し「システムに合わせる必要はない」と力説されますが、お金になると「この部分はなぜ単独負担(独自仕様)になっているのか」という質問になります。システム担当者として矛盾を感じる部分です。

 

5-5アプリケーション・パッケージ利用における課題と効果

 

アプリケーション・パッケージで電算化すると、職員の理解が欠落するという意見もあります。しかし専門的分野であっても職員が担当するものは、一般業務での職員の役割と同様であるべきだと思います。適切な人事や能力形成のためにも、普通の職員と同じようなサイクルで異動できるべきで、「あいつしかわからない」ということのないよう、市の担当があまりシステムの内側に入り込むべきではないと考えています。そのため、職員はプログラムを直したりせず、原則的にメンテナンスは委託業者に任せています。

原課側も、電算化を始めた時期には従前のやり方とのギャップを感じるようですが、次の世代は、最初に機械の運用操作がありその上に業務があるようです。電算部門のシステム理解を危惧するのと同様、原課も業務理解を危惧する必要がありそうです。

 

 

 

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