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また、安定稼働に至るまでアプリケーション・パッケージの開発とカスタマイズを担当したメーカーのSEが常駐していたためパッケージ部分の障害の対処は的確に行われた。

なお、アプリケーション・パッケージが原因なのか、新規作成した部分が原因なのか調査に時間を要した障害も発生したが、安定稼働後はアプリケーション・パッケージが原因の障害は発生していない。

 

4-5 アプリケーション・パッケージ利用における課題と効果

 

アプリケーション・パッケージは数多くの開発の集大成であり、単独では開発できない優れた製品が多く、その利用により開発期間の短縮と経費の節減を計ることが可能と言われている。しかし、利用者の要求に合わせてカスタマイズを行う開発がほとんどであり、このカスタマイズの量と内容によりそのメリットが薄れてしまう開発も多いようである。できるだけカスタマイズを減らすことが有効ではあるが、避けられない場合は事前にアプリケーション・パッケージの機能を十分に理解したうえで開発計画を立てる必要があると思われる。

本市においては部分的な採用ではあったが、カスタマイズは少なく、効果的にアプリケーション・パッケージを利用できたのではないか、特に基本制御部分については効果が大きかったと判断している。

また、アプリケーション・パッケージの利用に伴いシステムがブラックボックス化し、トラブル発生時の対応が迅速にできない、仕様変更の対応が困難になる等の問題があるとも言われている。本市においては、アプリケーション・パッケージのメーカーとシステムの委託開発先が同一であったため、開発・保守を通じてこのような問題はほとんど発生しなかったが、アプリケーション・パッケージの利用の拡大、マルチベンダー化が進むと発生の頻度は増すとともに複雑化すると思われる。この種のトラブルを防止するには、管理者においてシステム把握を徹底するとともに、各地方公共団体で開発・保守の委託化が進む状況においては、信頼できる委託先を選択するという事も重要なこととなろう。

 

4-6今後の取り組みについて

 

本市財務会計システムの再開発検討時にアプリケーション・パッケージの活用については特に議論されてはいなかったが、当時は大型汎用機を用いた

 

 

 

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