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アプリケーション・パッケージの基本機能との間には何らかのギャップがあり、このギャップを埋めるためにアプリケーション・パッケージの機能をシステム案に近づけるのがカスタマイズである。ほとんどのシステムの場合、何らかのカスタマイズを行う必要があると思われる。しかし、カスタマイズを行う場合については、次のような問題がありパッケージソフトを利用するメリットがなくなってしまう可能性がある。

カスタマイズの内容によっては、そのカスタマイズ部分について自己開発を行うのと同じような手順を踏む必要があるため、開発期間を短くすると言ったメリットがなくなり、また開発費も高くつく。制度改正等による変更に対しては、カスタマイズを行っている場合は、即座に対応できない場合がある。

このような事により、カスタマイズは出来る限り行わない方が良いと思われる。アプリケーション・パッケージ内容の検証によりカスタマイズの範囲がわかった時点でシステム化案の見直しを行い、システム化案で考えた機能は本当に必要かどうか、逆に事務処理の方をアプリケーション・パッケージに合わせにいくことが出来ないか等を含めて、再度検討する必要がある。

 

3-5 アプリケーション・パッケージ利用における課題

 

本県においては、これまでのところアプリケーション・パッケージを利用して開発を行った例はあまり多くはないが、今後ダウンサイジング等により、エンドユーザーコンピューティングが進行していくにつれ、前述のとおり、開発期間の短縮、開発費の低減、制度改正等に伴う変更の迅速な対応が図れる等の利点がある事から、アプリケーション・パッケージを利用した開発が増加するものと思われる。

しかし、アプリケーション・パッケージを導入するに当たっては、導入するアプリケーション・パッケージが事務にどの程度合致しているか検討する必要があるが、実際に使用してみないとわからない部分も多く、これをどのようにして検証していくのか、また、アプリケーション・パッケージ選定においては、アプリケーション・パッケージの機能評価の他に、入出力画面のレイアウトや操作性等ある程度ユーザーの主観がまじる部分があり、これらについて、どのアプリケーション・パッケージが最も良いのか、調達の公平性から考えてどのような評価を行い選定すれば良いのかといった問題もあり、解決すべき課題は多いと考えられる。

 

 

 

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