3-1 カスタマイズ設計
三つの原則を守ってカスタマイズ設計を行う
・アプリケーション・パッケージの基本構造を崩さない
・保守しやすい設計を選ぶ
・OS等の変更に影響されない設計を選ぶ
アプリケーション・パッケージの信頼性・保守性の観点から考えて、カスタマイズは極力行わない方向で考えるべきであるが、必要な場合には次のような観点から、自力でのカスタマイズ/パッケージベンダーへの委託を問わずに、情報管理主管課の支援を得つつ、業務所管課とパッケージベンダーとが共同で、カスタマイズ機能の設計を行うことが望ましい。
まず、アプリケーション・パッケージは機能の構造化,モジュール呼出し規則,データベース構造等、それ自身が統一された設計思想の基に開発されている。バージョンアップにおいてもその設計思想に基づいて機能・モジュールの追加・拡張やデータベースの構造変更が行われる。したがってカスタマイズにおいてアプリケーション・パッケージが有している基本構造を無視してデータベース構造を変更したり、モジュールの呼出し規則を無視して内部実装を直接呼出すような変更を行った場合、バージョンアップでアプリケーション・パッケージのデータベース構造や内部実装が変わった時に、カスタマイズ部分を再度最初から作り直さなければならないこともありうる。したがって、カスタマイズ設計においてはモジュールの呼出し規則を守り、基本的なデータベース構造に変更は加えず、これと論理的にリンクさせた形でカスタマイズ部分専用のデータベースを新たに定義する等の方針で設計を行う必要がある。
また、カスタマイズ部分も保守作業の対象になるとともに、OS等の環境条件も変更されうる。どちらについても一般のソフトウェア設計と同様に、保守しやすく、OS等の環境条件の変更への対応が最小限度ですむような設計を行う必要がある。