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ご挨拶

 

財団法人アジア太平洋観光交流センター

理事長 山下 哲郎

 

世界観光機関(WTO)アジア太平洋事務所の活動支援および我が国とアジア太平洋地域の観光交流促進、観光振興にかかわるさまざまな事業を展開する当財団による「観光に関する学術研究論文」募集は今回で早くも3回目を迎えました。

今回も前2回に劣らず多くの力作が寄せられましたが、今年の特色は企業行動、政策研究、エコツーリズム、地域開発など非常に幅広いテーマを対象に、実証的で密度の高い応募が多数寄せられたことです。エコツーリズムなど従来型のマスツーリズムの対極に位置する新らしいツーリズムのあり方について幅広い視点から実際のインタビューなどを用いた実証的で質の高い応募が数多く寄せられたことです。また日本で研究活動をされているアジアの方々からの応募の他イギリス在住の方からの応募もありました。

WTOの発表によると1996年には、世界全体で国際観光客数は5.92億人国際観光収入(航空運賃は除く)は4,230億米ドルに達しています。また、一方では、年末からのアジアの経済危機は観光の動向についても短期的には憂慮すべき事態を惹起しつつあります。しかしながら21世紀に向けて、我が国においては、歴史的文化遺産保全、環境保全との調和のとれた観光開発や観光振興が、経済活性化、地域振興の面からますます重要視され、そのための理論的バックボーン、実践的アプローチとしても観光学の確立、発展が望まれています。

観光学は学問としては未だ発展途上であり、その裾野は、さまざまな学問に渡っていますが、当財団の「観光に関する学術研究論文」事業が、観光学の構築と発展の一助となることを祈りつつ今後もこの事業を育てていきたいと考えています。

最後になりましたが、今回入賞された方々に心よりお祝い申しあげますとともに惜しくも入賞を逃された皆様方にも、ご多忙の中、力作をお寄せいただきましたことを深謝いたします。

 

 

 

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