としているのでしょう」と言う台詞があります。そうすると主人はそこで爆笑をします。「意味するだって？面白い冗談だね」というような答えをします。これこそはベケットの芝居の精神だと思います。従って、解釈の鍵はないのです。
●ナターシャ・パリー Natasha Pary
ロンドン生まれ。12歳でデビュー、ロンドン・ニューヨーク等で活躍。70年、ピーター・ブルックの国際演劇創造センターに創立から参加、以来パリ在住。ブルックの演出作『桜の園』『Tchin-Tchin』で主演、絶賛を受けた。その他の代表作に、舞台『イグアナの夜』『Les 5 No(近代能楽集)』(M.ベジャール演出)、映画『ロミオとジュリエット』(F.ゼフィレッリ監督)『ミッドナイト・レース』(ドリス・デイと共演)など。
●ジャン・クロード・ペラン Jean-Claude Perrin
1960年代から俳優として活躍。74月〜80年、ブルックの国際演劇創造センターの活動に参加。81、82年、カリエラ劇場で演出家として、またジュネーブのコンセルヴァトワール(高等演劇学院)、ストラスブール国立劇場演劇学校の教授をつとめる。J.P.ヴァンサン、M.デュボワ、P.ブルック等の著名演出家の舞台に出演。
●高橋 康也 Yasunari Takahashi
1932年生まれ。東京大学英文学科卒。イギリス文学(特にシェイクスピアおよび現代劇)専攻。東京大学名誉教授、昭和女子大学教授。主な著書に「エクスタシーの系譜」「ベケット」「ノンセンス大全」「道化の文学」「ウロボロス」等。主な訳書にブルック「なにもない空間」、「ベケット戯曲全集」ルイス・キヤロル「不思議の国のアリス」他。
●永井 多恵子 Taeko Nagai
プロフィールはP17を参照。
