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このテクニカル工房に入って思ったことは、私の耳が聞こえなくて少しだけ手話を使ってくれることが嬉しいです。出来ないときは紙に書いてくれます。初めは不安があって楽しく出来るのか心配でした。こんな不安をもっていたけど皆はすごく優しそうで安心しました。先生たちも優しくて頼りになってくれるので嬉しいです。私は今まで車イスの人と一緒にいたことがなかったです。話してみたら楽しかった。

みんなが明るい人でよかったとおもってる。私は明るい人が好きでそんな人と仕事が出来るからここに入ってよかったなーって思ってます。ハーブティーもおいしいです。

学生の時の友達にハープティーをあげたら喜んでくれました。皆に出会えてよかったです。

 

 

この授産施設が出来る、という話を聞いたのは、たしか2年ほど前だったと思う。最初は本当にできるのか、無理ではないのか、と正直思った。その当時の自分は、高校を卒業したものの別にやりたいこともなく、一日中家の中でゴロゴロしているか、電動車椅子に乗って散歩に行くか、という夢も希望もないような生活を送っていた。何かやりたい、という積極性がなかった自分自身にも問題があったのだと思う。

とにかく2年前の自分は、どうせ俺なんか何やっても無駄だ、というような投げやり半分いじけ半分の気持ちでいた。だから冒頭に書いたように本当にできるのか、無理ではないのか、というような事を考えたのだと思う。しかしあっという間に時がたって今年の2月1日ついに開所した。いきなり初日に体調不良で休んだが、それ以降は休みなく通っている。と思う。最初は果たして朝起きれるだろうか、というのが唯一にして最大の問題だったが、いつの間にか慣れてきて何の問題もなかった。仕事は、名刺作成を中心にいろいろやっている。仕事を始めて大きく変わったのは、まず第一に考え方だと思う。

自分で言うのもなんだが結構前向きになったと思う。どうせ俺なんか何やっても無駄だ、と思っていた2年前の自分は、今どこにもいない。とにかく以前のようには絶対なりたくない。その他には人と話すのが苦手だったというのも直ったし、寝つきが良くなったし昼飯もうまいしとにかくいいことばかり。ここに来て本当に良かった。これからは仕事に慢心することなく取り組んでいきたいと思う。自分の好きな歌の一節に「失敗恐れず突き進め。後悔は決してしたくないから。」というのがある。これを自分の信条にしていきたい。

 

 

 

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