健康のためには、体を動かすことが基本であり、運動さえすればよい、という考え方が一般的です。しかし、 真の健康づくりを行うには、かえって弊害を生じる場合があります。なぜなら、健康のための運動には、体にとって良い運動と悪い運動があるからです。
悪い運動とは、「力を入れて体を偏って動かす運動」のことで具体的には、「仕事・労働」のための運動や「競技」のための激しい運動があります。これらは、健康体の人で、若い年代では害が出ないが、年齢と共に疾病を生じる原因になることがあります。
良い運動とは、「体全体をバランス良く動かす運動」で、いわゆる体操の類です。
この体操は、二つに大別できます。そのひとつは健康体の人が体力を作ったり、シェイプアップを目的とした西洋体操(ラジオ体操や各種エアロビクス等)であり、もうひとつは半健康の回復や成人病予防、老人や病人のリハビリテーシヨンを主眼にした東洋体操(生命の貯蓄体操や気功、ヨガ等)です。ウオーキング等の軽運動は健康を保つための健康法として価値はありますが、中高年の大部分が半健康状態にある現代、この健康回復のためには健康を保つことよりも、健康をつくる積極的な体操が必要です。
生命の貯蓄体操には「要の体操」「自彊術」「組み体操」の三種類の体操があり、私が生理学的東洋医学的理論を確立し、指導者による指導法の体系もつくりあげました。
生命の貯蓄体操はどの体操も、「力を抜いて丹田呼吸法と共に体の経絡線に当てて伸ばす」運動法ですので、生理学的及び東洋医学的な効果が最大に発揮されます。その結果、自然治癒力が強化され、半健康の不定愁訴の解消や成人病の予防、老人の寝たきり予防にも最適の体操であります。
(社)生命の貯蓄体操普及会・理事長 矢野 順一(やの じゅんいち)
大正15年●愛媛県松山市生まれ
昭和50年●(社)生命の貯蓄体操普及会を設立
昭和58年●愛媛県市町村職員共済組合、保険センター所長の職を退いた後、全国普及に専従
現在、同普及会の理事長、最高師範、主任教授として活躍中