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柴田委員長 ありがとうございました。それから、きょうは国土庁の「三宅さんや渡部さん、近岡調査会専務理事には座談会にお入りいただくわけですね。

それでは、始めさせていただきます。今回、調査会のほうから平成9年度の日本財団から補助をいただく調査研究事業として、「過疎地域における集落の現状と課題に関する調査研究」というのが委託をされまして、今まで、既に3回、委員会をやっているわけでございますけれども、その間、いろいろな課題について勉強してきたわけでありますし、先生方には夏の暑い盛りに、大変、交通の不便な過疎地域にお出ましをいただいてごらんもいただいたりしたわけでございますが、このたびの調査研究の趣旨というのは、やはり過疎地域の市町村の中で集落というものがそれなりの役割を果たしているんだけれども、過疎地域の市町村の中でも高齢化の非常な進行、あるいは人口の非常な激減というものがありまして、特に縁辺部の集落が崩壊の危機にさらされている。それに対してどういう対策をとるか、そして、あと2〜3年で、過疎地域活性化特別措置法をつくり直すというときが来るのでございますが、そのときには、その集落の問題というのは大変大きな問題になるだろうと。そんなことから、ここで集落のことを改めて突っ込んでよく調査し、勉強してみようというご趣旨だったように伺うわけでございます。

ただ、今までも調査会で集落の研究がされておりますし、地方の県でもそういった調査をしておりますので、まず初めに調査会の近岡専務理事からこれまでの調査会の研究、あるいは島根県の過疎地域対策協議会がおやりになった研究についてお話をいただきたいと思います。

昭和49年度の報告書 ―集落再編成―

近岡専務理事 それでは、お配りしてございます配付資料に沿いましてご紹介申し上げたいと思います。

最初の昭和49年度の報告書。これは国土庁の委託にかかるものでございますが、「過疎市町村における住民の生活単位としての集落再編成の方策」というテーマで調査報告が成されております。「もくじ」では地域社会開発としての集落再編成計画の理念、それから集落再編成の問題というものを載せてございます。この集落再編成につきましては、昭和45年に過疎調査会が発足しましてから、集落にかかる調査を数年間、続けてまいりました。

集落というものが、人口流出に伴いまして崩壊の過程にあったわけですので、そういった過疎集落の再編成をどうするかということで緊急調査がしばらくされたわけでございます。集落再編成計画の理念について触れてみますと、これまでの幾つかの提言が、生活環境の

 

 

 

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