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30%以上の減少を示している集落は、町の中心部で五ケ瀬川に北から合流する日之影川の上流部および左岸に立地する集落、南部の山間奥地の集落、および日之影地区の谷底の中心街を形成する集落、の3つが目につく。前二者は、交通条件、中心地との距離が大きく作用していると思われる。町南部の山間部の集落も20%台の減少を示す集落が多いのも同様の条件によるものと思われる。後者、日之影地区市街地を形成する集落は、日影バイパス開通後、町外との交通の便が相対的に悪化したこと、利用できる土地が極めて狭小であること、が影響していると考えられる。

これに対して人口を増やした集落および減少率10%未満の集落は、日之影バイパスに沿った集落、あるいはそれへのアプローチが容易な集落に多く見られる。また、日之影川沿い道路近くに立地していて、日之影地区から遠く離れてはいない集落にもそれが多い。

 

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町の中心からの距離と人口増減との関係は必ずしも明瞭な傾向を示さない。それを示したのが表1である。0km、つまり中心市街地を形成する集落はバイパスの影響が大きく、総じて減少率が高いばあいが多い。他方、14?q以十三離れた集落のはあいには、減少率の高い集落が多い。2〜5?qの集落のばあいには、減少率の低い集落が多いように思われる。言えるのはこの程度のことであり、むしろ個々の集落の具体的な個別の条件や、バイパスへのアプローチの難易の程度、が人口動向に強く作用しているのではないかと考えられるのである。

 

 

 

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