第3 集落例
<下栗地区>
村内四地区のうち、“日本のチロル”のキャッチフレーズで観光のニース格として期待をかけているのが「下栗地区」。この地区は、昔から残された農山村の原風景と眼前に広がる南アルプスの風景を求めて訪れる都市住民が増えている。標高850m〜1,200mの南東向き斜面に位置し、東西5?q、南北1?qにわたって幾つかの集落で地区を構成している。
村全体が中央構造線によって分割されているが、東側の秩父帯に属する肥沃な地質と南東向きの日照条件に恵まれ、標高は高いが雪解けも良く、傾斜を活用した畑作を中心に農業を行ってきた。畜産や二度芋、そば、粟、こきびなどの雑穀類、キャベツ、トウモロコシ、白菜などの野菜類を生産している。昔から伝えられた原種の作物も残されており、粟は品種登録もされ皇居に献上された。二度芋は地区の特産で、いも田楽として人気がある。野菜は高原野菜として下栗地区指定で求める人もいる。花井栽培を始める人も出てきた。
民俗芸能としては、約750年前から伝承されたと伝えられる「霜月祭」、約350年前から踊られている「かけ踊り」(雨乞いの踊り)がある。
地区の人口は173人(74世帯)、うち65歳以上は37.6%の65人となっている。地区の中心から主な施設までの距離は、保育所まで7.1km、小学校まで6.4km、中学校まで6.4km、医療機関(へき地診療所)まで6.9km、金融機関まで6.9km。救急車の到着時間は45分。上水の給水は70戸が簡易水道、簡易給水施設によっている。