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あり、「人材」の配置が適正かどうかにかかってくる。

?@ 総務部門

?A 財政・経理部門

?B 事業運営部門

?C 広報・宣伝部門

?D 企画・制作部門

?E 舞台技術部門

これらが常に連帯をとる「ミーティング」と「和」が大切だ。

 

(検証5-実践、行動)

A.(行動に移す事前に注意すること)

(1) 「土地の人々」の声、意見を広く吸いとっていく、その「触手」や「耳」が全スタッフの個々の中にあるか、チェックすること。

(2) 「当ホール」としての実行限界ラインを明確にしておくこと。但しその線引きは「怠惰」性と「逃避、回避」性で犯されていないか、チェックが必要である。

(3) 全スタッフが、常に「自分のホール」について、その「内実」と「方向性」を確認しているか。その凝視の眼が「土地の人々」の要求、声に対して鋭敏に、反応していくことになるからだ。「内」から「外へ」である。

(4) 全スタッフが「観る側」に立ってホールのコースを歩いてみたり、現実に入場券などを買ってみたり、電話で求めてみたりしてみることだ。意外に気づいていない「不便さ」を発見するだろう。「トイレ」の「清潔度」と「利便性」は実はホール全体のイメージを決定するといっても過言ではない。

(5) 客席に座って、当ホールの「公演」を「本番」の時に観客と共に鑑賞してみることだ。「外の音」「観客が作り出す音」「ロビースタッフの話し声」又シーリングに上がっている照明スタッフの私語が聞こえたりする。

(6) 「ロビースタッフ」と「楽屋・事務所スタッフ」によって観客や「使用する人々」はホールの質を直感してしまう怖さがある。「人材」と「教育」が問われるところだ。

(7) 他県、他市ホールでの成功した「企画」についてスタッフを派遣し内容、方法について学習すること。

(8) 若い世代を積極的に前面に出し「学ぶ」機会を与えること。(出張費と考えない。人材投資であり将来のホールの内実を成長させていく何よりの芽であり宝である。)この常に若者教育の努力を怠ったとき、未来のある時期に大きな断絶期を迎えることになる。

(9) 身近な人材を活用すること。土地の人々の中に意外な人材を発見するものである。又、「ホールの中に」秘めた才能をもっている人がいるものである。そうした「隠れた身近な人材」を活用し、意見を聞く機会を積極的にやるべきだ。

(10) 何事にも「事前調査」は広く深く、積極的であること。その行為と学習が、将来、他の企画を実践していく上で必ず生かされてくるものだ。

(11) 「管理職」は「上位下達」のポイントにある自覚を忘れないことは勿論だが、「下意上達」にも胸を開いておくことだ。

(12) 「区切り」を大切にすること。「初日」と「千秋楽」は皆、乾杯などで祝うが、日常の小さな区切りを大切にと、折にふれて「小さな祭り」をすることは大切だ。昨日の悪弊をすっぱりと切り、「新鮮な今回」「爽やかな明日」を迎えるためにも、この「区切り」と「祭り」は大切であろう。たった1個の缶ビールでの「お疲れさま」が、どれだけ多くの「和」を産み出していくかを過小評価してはならない。

(13) どんな企画にも「担当者」又は「チーフ」を置き、企画毎に交代させるのがいい。人間は任されてこそ燃え、努力する。

B (実践、行動)

(1) 深く、静かに考え慎重に検討がなされたら、もう果敢に行動(実践)に移すだけである。

(2) 必ず「経過」をチェックしつつ資料を残し、実践後は企画された全てのことを記録物ととて「一つにまとめる」。この一点を欠くために、多くのスタッフの努力が将来への財産として残せないばかりか、それに「当日」接する機会を失った人々に対しても、後日何も提示出来ないのは、勿体なさを越えて「不親切」ともいえよう。

 

会館運営も自主事業も舞台の技術の習得も、とにかく苦しんでこそ次の大きな発展がある。それは古来、先達たちが示してきた何よりの教訓である。

 

 

 

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