ただ今、ご紹介をあづかりました、永田音響設計の豊田と申します。よろしく、お願いいたします。ホールの音響効果、題名はホールの音響効果―問題点と解決策―と書いてあるのですが、どういう、ホールの音響効果ともうしましても、非常に、多岐にわたっています。どういう事をお話したらいいのか、よく分からなかったのですが。それに、こういう所で、お話するという事が、普段、それ程慣れていないものですから、先程の大野先生のようにですね、ぴたっと、オン・タイムで、上手くまとめられるか、どうか、はなはだ、自信がないのですが。
お手元に、11頁から、箇条書きで書いてあるのがですね、最初に、こんなことを、お話すれば、よいのかなと思って書いた項目なんですけれど、実をいいますと、考えてみますと、これは最後の方まで、全部きれいに、お話しているだけの時間は、あるいは無いのかなと、思ったりしています。
実はホールの音響性能はと言った時に、通常、今、私が喋っているこのマイクを通じての音響設備というのが、割りと想像するのですが、電気音響設備も、ご存じのように日進月歩といいますか、改良もどんどん進んでおりますし、一般的にはよく改修も、10年20年30年とたちますと改修されているようすです。
で、私のほうは、ちよっと、いろいろ、考えてですね。最近、むしろ、電気音響設備の方が、普段、ここに、技術の方が、沢山いらっしゃれば、まあね触れられるといいますか、タッチされるケースが多いとおもいますが、むしろ、そうでない建築音響といいますか、最近コンサートホールといいますか、そういったものも多いのですが。建築音響というのは、何も、室内の音響効果だけでなくて、遮音ですね、隣の音が漏れるとか、そういった音。そこら辺りをお話したほうが良いのかなと、実は、そちらのほうを、室内音響を少し、お話させていただいて、それで、それが、直接ホールの音響効果はともかくとして、問題点と解決策と繋がるのか、どうかというのは、はなはだ、自信が無いのですが、ただ、先程、申しげました様に、最近、いわゆる、多目的ホールではなくて、もっと専門家、専用ホールといいますか、コンサートホールというものが、あちらこちらで、建設されています。
そこら辺りの音響効果、音響設計の技術といいますか、これも、割りと世界的にみて最近ですけど、いろいろ進んで来ていますので、その辺のところをご紹介させていただければ、あるいは、従来の多目的ホールとどこが違うのか、或いは、どういう良い点、メリット・デメリットがあるのか、それを改修するとしたら、どういう話になるのか、といった事をご理解いただけるのでは無いかと思いまして、室内音響そこら辺りを重点おいてですね、御説明させていただきます。
もし、ここに来られている方で、趣旨が違ったら申し訳ないんですが、まず最初にお伺いしておきたいのですが、この中で、いわゆる、音響のほうでホールの技術の分野でお仕事をされている方は、何人位いらっしゃるのでしょうか?もしよろしければ、あるいは、要するに、そうで無い方が多いのか、それとも、音響のご専門の方が多いのか?音響のご専門の方って、何人位いらっしゃるのですか?
あ、分かりました。むしろ、ご専門以外の方が多いと考えてもよろしいですね。分かりました。さりとて、簡単に話をごろっと替えて、簡単にという訳にもいか無いかもしれませんけれど、ちょっと、念頭に入れておいて、色々ご説明させていただきたいと思います。
だいたいを、OHPにして、ございますので、このOHPを中心にして、説明させていただきます。
先程申しましたようにホールの音響性能、音響効果、音響特性といいますか、我々は、大きく分けて、この三つとして、分類しています。で、語呂あわせでいきますと、静けさ、良い音、良い響き、という事なんです。で、静けさというのは、当然もっとも基本的なアイテムで、兎に角、外の音が、ガアガア入ってきてはいけない、或いは、隣の練習室の音がホールに入ってきてはいけない。基本的な静けさを守らなくてはいけない。それから、なにも、外の音が入ってきてはいけないだけでなく、その会館の設備の音ですね、空調がうるさかったら困る。これ勿論、目的によって違う。それぞれのレベルによって違う訳ですけれど、要するに、静かでなくてはいけない。この、静かでなくてはいけないというのは、設計サイドの話からすると、実は二通りありまして、先程言いまし