わかった。
?C 残響時間とSTI測定値、聴感評価との関係
残響時間の変動にSTI測定値・聴感評価とも対応しており、変化量に追随することがわかった。
?D スピーカの指向性とSTI測定値、聴感評価との関係
指向性範囲内のSTI測定結果が最も高く聴感評価でも同様であった。
?E 聴取距離とSTI測定値、聴感評価との関係
距離が離れるにしたがってSTI測定値は低下する傾向があり、聴感評価でも同様の結果となった。
?F 音響シュミレーションによるSTI予測値の比較
シュミレーションシステムによるバラツキが大きく、入力条件の統一と室形選定の簡略化の検討が必要となった。
?G STI測定値と予測値との比較
各予測システムの予測結果と測定値を比較すると、まだ十分に対応が取れていないことがわかった。
6) 平成6年度調査研究結果
平成6年度は前年度に問題となった課題を抽出し、すみだリバーサイドホールイベントホールにおいて調査・実験を行った。以下結果を示す。
?@ 各STI測定システムによる測定結果の比較
測定条件を固定した場合、各測定システムのバラツキも少なく実用上問題の無いレベルであることを確認した。
?A 拡声音の音圧レベルとSTI測定値、聴感評価の関係
STI測定結果では大きな差は見られなかったものの、聴感評価では聴取点による差が生じる結果となった。
?B 拡声系の周波数特性とSTI測定値、聴感評価の関係
STI測定結果では大きな差は見られなかったが、聴感評価では周波数制限された場合のほうが聞き取りにくくなる結果となった。
?C 拡声スピーカの指向性とSTI値、聴感評価との関係
測定値聴感評価とも指向性範囲内であれば定指向性スピーカの方が明瞭度が高く、範囲外では無指向性が高い結果となった。
?D 音源信号を拡声系に直接入力した場合と拡声用マイクロフォンに入力した場合のSTI測定値と聴感評価の関係
?E STI測定値と聴感評価との関係
各条件における測定値と聴感評価との対応は高く、昨年の結果と同様な結果となった。
?F 各種コンピュータシュミレーションによるSTI値予測の比較
3システムによる検討を行ったが、結果のバラツキは依然見られた。
?G STI実測値と予測値との比較
予測値は目安としては使用できるものの、使用範囲は限定される。
?H 可聴化システムによる取りやすさについての評価実験と実音場での比較
今後の予測精度の向上とともに実用レベルのシステム開発が期待される。
6. まとめ
2年間にわたる調査結果より、STI測定は従来の明瞭度評価指標の問題点を解決できる可能性を秘めており、測定条件を規定できる範囲内であれば十分実用できる結果となった。今後予測手法を含めた個々の物理指標との対応が究明されていくであろう。