カタログ等に表示・記載するに際し、安全使用に必要な事項の表示もれ等があった場合、表示や記載が非常に判りにくい場合は、『PL法の製造物の安全性の欠陥』に該当します。
8. 海外製品について
?@ 輸入業者の社名や商標等が輸入した製造物に表示、無表示に関係なく、「輸入した者」が「製造業者等」に該当します。
?A 海外製品を直接購入した場合は、「海外の製造業者及び加工業者」は、日本のPL法上の責任主体ですが、日本のPL法の効力は外国には直接には及ばず、またPL法に基づいて損害賠償を消費者が外国のメーカーに請求することは手続きが非常に複雑になります。
9. 製造物責任とは:
?@ 「出荷した製造物の欠陥が原因となって、他人が生命・身体・財産の損害をこうむった場合は、製造業者等が損害賠償の責任を負う。
?A 損害賠償の対象になるのは、「製造物の欠陥が原因となって発生した損害」です。
欠陥と因果関係のない損害は、PL法の対象になりません。
?@ 損害賠償を請求する人は、「製造物の欠陥が原因で損害が発生したこと」を証明する必要があります。
?C 「他人」とは「製造業者等」以外の人を指します。
個人であるか法人(会社)であるかに関係なく、被害を受けた人は誰でも損害賠償を請求することができます。
?@ 損害が「製造物自体の損害」にとどまり、それ以外には人的損害も物的損害も発生しなかった場合は、「製造物自体の損害」はPL法の対象にはなりません。
10. 期間の制限:
?@ 被害者が「損害が発生したこと」及び「賠償義務者」を知った時から3年間を経過しても損害賠償を請求しなかった場合。
?A 製造業者等が製造物を出荷してから10年間。
?@ 上記?Aの例外として製造物を使用した時から、ある程度の蓄積期間または潜伏期間が経過した後に、健康被害や症状が現れる人の生命,身体に対する損害に関しては、「製造物の出荷後の10年間」に代えて「損害が発生した時から10年間」と定められています。
11. 民法の適用:
?@ 製造物の欠陥による製造業者等の損害賠償責任は、PL法によるほか民法や契約条項によっても追及可能です。
?A このほか、民法が適用される例としては次のようなものがあります。
1. 過失相殺
被害者の側にも過失や不注意があった場合は、損害賠償金額が減額される。
損害賠償の方法は、金銭による賠償が原則で、原状回復の方法は認められていない。
2. 複数の責任主体の連帯責任
製造物の欠陥によって損害が発生した場合は、完成品メーカーと部品メーカーのようにPL法上の損害賠償を負担すべき者(責任主体)が複数ある場合は、被害者に対して複数の責任主体が連帯して賠償責任を負う。
3. 免責特約
メーカーの製造物責任に関して製造物の表示・取扱説明書・契約書等に免責条項をつけた場合は、その効力はメーカーの直接取引相手には及ぶが、それ以外の者には及ばない。
12.施行期日:
?@ PL法は、平成6年7月1日に公布されたので、平成7年7月1日から施行されています。
?A PL法は、「製造業者等が平成7年7月1日以降に出荷した製造物」に対して適用されます。
?@ 平成7年6月30日以前に出荷した製造物に対しては、PL法は適用されません。