日本財団 図書館


「PL法施行に伴う劇場空間設備取扱い基準について」

社団法人 劇場演出空間技術協会照明部会主査

アールデイエス株式会社 部長  金谷 久男

 

【講義の概要】

PL法とは:

1. PL法の目的:

PL法は『製造物の欠陥によって、人の生命、身体又は財産に被害が生じた場合の製造業者等の損害賠償責任について定めることによって被害者の保護を図ること』を目的として制定された法律です。

2. 製造物とは:

製造業者の製品や部品は『製造又は加工された動産』に該当するので、PL法が適用されます。

3. 修理・据付工事・輸送について:

?@ 修理・保守・据付工事・輸送のサービスそのものは、『製造又は加工された動産』に該当しないので、PL法は適用されません。

?A ただし、修理や据付工事に使用した部品や資材は、『製造又は加工された動産』に該当し、PL法の対象になります。

?B なお、『修理・据付工事・輸送等のサービスそのもの』に関して欠陥があった場合の損害賠償に関しては、契約の条項の中に規定を設けて定めておく必要があります。

4. 改造品・改良品について:

改造品や改良品は、修理とは異なり『製造又は加工された動産』に該当し、PL法が適用されます。

5. ソフトウエアについて:

?@ ソフトウエアそのものは、動産ではないのでPL法は適用されません。

?A ソフトウエアを組込んだ製造物は『製造又は加工された動産』としてPL法が適用され、組込んだソフトウエアの不具合によって被害が発生した場合は、製造物自体の欠陥となみなされて、PL法が適用されます。

6. 欠陥とは:

?@ PL法でいう「欠陥」とは『製造物の安全性の欠陥』を指します。

例えば『製品の品質や性能が劣る』とか『製品が契約仕様から外れている』場合は、それが安全性に関係のない事項であれば、『PL法上の欠陥ではない』のでPL法は適用されず、契約規定または民法によって解決することになります。

?A PL法で要求されている安全性の程度は、『当該製造物が通常有するべき安全性』であって、『絶対的な安全性』が要求される訳ではありません。

7. 製造物の安全性の欠陥とは:

次の3つに分類されます。

?@ 設計上の安全性の欠陥

製造物の設計段階で、安全性に対する配慮が不十分であった場合。

?A 製造上の安全性の欠陥

製造過程でのミス・検査もれ・手抜きなどのために製造物が設計通りに生産されず、安全性に欠ける結果となった場合。

?B 表示・警告上の安全性の欠陥

製造物の使用にあたって、使用者が注意すべき事項を製造業者等が、製品・取扱説明書・

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION