ユーモア賞
松本稔
72歳 京都府船井郡八木町
テーマ
今、自分が社会に対してできること
私は京都府の八木町から来ました松本稔でございます。かつて退職を致しました時に、これからの人生をどうして生きようかと思ったのであります。幸い田と山がありましたので、田んぼや山仕事をしておりましたが、物足りないのでございます。「さなぶり」と言いまして、田植えがすんだ後の慰労会に出席したわけでございます。その時の余興の中に私は、私の色々な失敗談を面白おかしく話したのでございます。そうしますとみんなが大笑いをしてくれました。「あ、そうだったんだ。私は人を笑わすことが得意だったのだ」と気がつきまして、それから面白い話をしてみんなを笑わそうとしたのであります。「笑う門には福来たる」「笑いは健康のもと」「笑いは万病の薬」と申しております。また、韓国のことわざに「一笑一少」というのがございまして、これは笑うと少年のように若くなるということでございます。また、笑いは頭のてっぺんから足の先までで、いわゆる手も足も、胃も腸も肝臓も腎臓も、全部で笑ってもらうことが必要なのでございます。
私は色々な話の中から漫談と小話を只今五00ほど創ってあります。皆さん一つ聞いて下さい。
京都の市バスは後ろから乗って整理券を取って、前から降りるのがございます。ところがある時お婆ちゃんが、前から乗ろうとしたので運転手さんが「後ろから乗ってちょうだい」と言えばよかったんですが、「お姿ちゃん、尻から尻から」と言ったんです。でお婆ちゃん「え、運転手さん、尻からですか。このバス、乗りにくいですなあ。」こない言うたんです。大笑いしてくれましてね。今日も笑っていただいてありがとうございました。で、こういうふうにして私は笑い話をしているだけではいけませんのでね、ちょっぴり皆さんのためになることを言っているのであります。それが、元気になるにはどうしたらいいか。元気になれって言ったっていつでもなれるわけじゃないのです。それで私はまずは元気になるには陽気になりなさい。ほがらかに笑い、楽しく振る舞って、決して悔やまないことです。私も苦しいこともありましたが、悔やまないでほがらかにしましよう。ほがらかにしていますと陽気になりまして、陽気になりますと、元気が出てくるのです。
で、元気がでてくると、やる気がでてきまして、今日のように勇気も出てくるのであります。皆さん、これは私が身をもって体験した事でございますので、どうか皆さん、 一遍ためして下さい。このようにして私は近くの老人会や婦人会に話をしておるわけでございますが、最近は兵庫県や大阪府からも呼ばれて、はせさんじておるのでございます。
また社会福祉の方が私の事を「笑いのボランテイア」という大層な名前をつけてくださいました。私の話を聞いていただいて顔を見合わせたり、うなずいたり、それから色々としまいには腹をかかえて笑ってもらいますと、私が元気になり、楽しくうれしくなるのでございます。私は、この話をさせていただいて、 一つの生きがいでございますoこれからの人生をこれをもつて皆さんと共に歩みたいと思っているのでございます。皆さん私の話を聞いてストレスが少しでも解消し、そして皆さんのこれからの生きがいの、生活の糧となればと思うわけでございます。どうか皆さん私の話を聞いて下さい。立派な生活をしていただきたいと思うのでございます。全国の皆さん私の話を聞いて下さい。丈夫で長生きは請け合いでございます。御静聴を感謝致します。