来賓あいさつ
福島県副知事
中 川 治 男
本日、高齢者ケア国際シンポジウムが、福島県において、このように多くの皆様のご参加の下、国内外の諸先生方をお迎えして盛大に開催されますことを心から感謝申し上げます。
人生 80年時代といわれる高齢化社会において、いま、高齢者を取り巻く環境は大きく変わってきています。さまざまな価値観、扶養意識の変化、あるいはまた世帯規模の縮小などにより社会は変化しておりますが、このようなときこそ、1人ひとりが生涯を通じて健康で、生きがいをもち、そして安心して過ごせる社会の基盤づくりを行わなければならないと考えています。
福島県では、県人口の高齢化が全国平均より5年ほど先行して進んでおり、何らかの社会的援助を必要とする高齢者の方々が、非常に増加している状況にあります。
本県では、高齢者の方々が、その人間性を最大限に発揮され、安心して暮らせる長寿福祉社会の実現を目指して、平成4年度に、全国に先駆けて県高齢者保健福祉計画を策定いたしました。そしていま、施設福祉および医療保健サービスの推進に努めているところです。
さて、痴呆性高齢者のケアは、その精神症状や問題行動のために、医療面での対応はもとより、保健・福祉分野のなかでも最大の問題といわれております。
本日は、海外の痴呆性高齢者ケアにおける専門家の方々と、日本の経験豊かな先生方が出席されております。
このシンポジウムは、施設ケアと在宅ケアのよりよい連携のあり方などについて、ご参加いただいた皆様とともに考えていこうというものであり、これは、行政の担当者や、高齢者問題の第一線で携わっておられる皆様にとって、まことに時宜を得た、またとない機会であると思います。
本日の高齢者ケア国際シンポジウムが、実りある成果を生み、また皆様方の今後の高齢者ケアへの糧となりますことを心から願っております。
本シンポジウムの成功をご祈念申し上げて、挨拶にかえさせていただきます。ありがとうございました。