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めていますが、これはその一例です。

1997年度の当選作は「リサイクルあなたの知恵と心掛け」というものでした。

こういうことは、社員のみではできません。協力会社との連携も必要です。

 

鈴木:1992年に「トヨタ地球環境憲章」を制定し、全社員に小カードにして配布しております。また、毎年6月をトヨタの地球環境月間と位置づけ、20項目によるアクションプランの徹底や、展示会、見学会等を行い意識向上を図っています。環境への取り組みを社員各々が身近に感じてもらうことを考え、日常生活をチェックするエコロチエックなども実施しています。このような日常的な働きかけがどうしても必要です。

 

佐藤:第一に、各事業場単位の取り組みとして、各事業場ごとに経営トップ以下全員を対象にした各階層別、職種別の教育をしています。環境行動を企業経営の一貫として周知徹底するためにやっていますが、トップに対する教育が最も重要であると考えています。また実際のところ、トップの教育というのが一番むずかしいのです。

環境マネジメントシステムの構築の中でも、全従業員に対する教育、特定の作業従事者による教育等が要求事項として定められています。内容はさまざまですが、時間にすると長いもので20時間以上、短いもので1時間と、多種多様なカリキュラムから成っています。

 

石井:山梨県全体の対応を先に申し上げますと、県内の企業500社による企業連絡協議会発行の「省エネ・省資源のガイドブック」を全企業、全社員に配布しました。それは、これまでお話しがあったように、まず、個人レベルでの意識改革がどうしても必要であり、それを拡大して全体の取り組みとしていくという方針なのです。

私の会社、横河電機では、「環境保全手帳」を配りました。これに、エコチェックのポイントを記入していき、環境月間に高得点者を表彰するということをしています。

 

質問(2):よい提案についての報償(褒章)制度はありますか。

 

佐藤:提案についての報償制度は、各事業場で表彰しています。優秀な提案は更に、本社においても表彰されます。特許報償制度もあります。

 

鈴木:資源の有効利用やエネルギー効率向上に向けた創意工夫提案制度は非常に昔から行っています。その中で特に優秀な技術開発などについては表彰する制度があります。

しかし、環境保全活動は人類全体の課題であると思いますので、表彰制度の採用の有り無しが環境保全の取り組みの指標として評価されることには疑問を感じます。

 

石川:開発技術賞等の社内表彰制度はあります。省エネルギーや環境保全についての社内提案についても対象となります。また、外部から表彰を受けた人に対しては特別賞が授与される制度があります。

 

石井:国母工業団地では、各社での制度はありますが、工業団地全体としての特別な制度はありません。

 

質問(3):環境保全活動とそのためのコストのかね合いは大きな検討課題ですが、このコスト増をどう整理したらよいでしょうか。また、どう考えていますか。

 

佐藤:コスト問題をあと処理問題として取り上げがちですが、前向きに考える必要があると思います。環境マネジメントシステム(EMS)の中では、「環境」の切り口から経営を見直し、無理・無駄を省き、利益を生み出すことのできる経営と直結したシステムだと話して、全部につながった活動としています。

 

 

 

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