価格変動により、有価物になったり廃棄物になったりするからです。また、各国の状況により同じものであっても有価物になったり、廃棄物になったりします。途上国では、日本では廃棄物として処理されているものが、非常に価値のあるものとして利用されている実態があります。日本に住んでいる私たちは、自分たちの価値観により多くのものを廃棄物とみなしている可能性があります。
トヨタは、このような状況を踏まえ、1970年より中部地域を中心に使用済み車両のリサイクルに取り組んできました。使用済み車両は、1970年に設立しました豊田メタル株式会社にてシュレッダー(破砕)・分離され、有用金属が回収されます。回収された金属類はトヨタグループの愛知製鋼株式会社にて、エンジン部品や建材用鋼材としてリサイクル、廃液類は豊田ケミカルエンジニアリング株式会社にて精製され燃料として活用、各種電装部品や触媒は豊通リサイクル株式会社のネットワークにより日本全国より回収されて、そのうち触媒はキャタラ工業株式会社にて貴金属が回収・再利用され、電装部品はリビルトメーカーにてリビルトされ販売されています。
このようなシステム構築により、使用済み車両1台あたり80%以上を豊田メタルを中心とするリサイクルネットワークでリサイクルしています。現在は「2000年車両リサイクル可能率90%」を目標に、開発段階、生産段階、使用段階、廃棄段階のさまざまな技術開発を進めています。
土屋:ハイブリッドカーは大変興味を持っています。私にも買える値段でしょうか。鈴木さんご自身はお買いになるのでしょうか。ちょっと尋ねてみたい気がしますが。では続いて、松下電器産業の佐藤さんお願いします。
パネリスト:松下電器産業株式会社
佐藤公平
いまや地球的規模での環境保護が重要な問題となっており、21世紀に向けての事業活動にとっても最重要課題となっております。
松下電器グループは、1991年に独自の「松下環境憲章」を制定し、社会の公器としてグローバルで先進的な環境保護への取り組みを、全世界の事業所をあげてスタートさせ推進しております。すでに国内・外の事業場では『地球環境との共存』を合言葉に、環境保護のためにシステムづくりや活動を推進し、環境にやさしい独創的な商品も開発されつつあります。
21世紀の経済活動の持続可能な経済発展をめざした『循環型社会』における企業のあるべき姿をビジョンに描きながら、幅広い活動を展開しております。原材料の購入から環境に調和した製品の開発、そして生産・流通から使用済み商品のリサイクルに至るすべてのプロセスで、省エネルギー・省資源・リサイクル・有害物質削減をめざして取り組んでいます。
また、リーディングカンパニーとして途上国への技術支援や地域社会との共生のための積極的な支援を行っております。
松下電器グループでは、環境保護に対する基本姿勢として、組織づくり、監査責務を含め、環境管理基本方針を策定しております。方針に基づいた考え方・運営の基本は全世界に展開しているグループの全事業所において貫かれていますが、それぞれの事業所は独自の方針・基準をこれに加えて、持続的な環境保護推進体制を構築しています。
本日のセッションの主題にそって、それらの概要を報告致します。
廃棄物削減の取り組みについて、高循環型社会における廃棄物削減の究極の姿は排出物をゼロにする。いわゆる「ゼロエミッション」ですが、わが社では廃棄物削減を省資源・リサイクルの一貫として、自主行動計画(ボランタリープラン)に