1997.11.15
セッシヨン3 市民参加のリサイクル〜みんなでやらへんか〜
助言者:プラザ研究所長 末石冨太郎
1. 一般不可能性の定理
佐藤孝行を大臣に起用した橋龍さん、その後にいた中曽根さん、1週間もすれば反対の声は小さくなるさ、と多寡をくくっていました。いつも反対の人は大きな声を出すが、賛成の人は発言しないからです。しかしゴミ問題に関する限り、こういうことは言えなくなりました。
各個人が意思を表明して、物事を決定する、例えば今年6月22日の岐阜県御嵩町のように。しかし、ノーベル経済学賞受賞者のK.J.Arrowの定理は、いかに民主的な手続きをふんでも、社会全体の理想は実現できないことを証明しています。
厚さ0.2mmの紙を100回折ったら、その高さは? この答えを投票で決めたら東京タワーの高さ(333m)になったそうです。しかし正解は、宇宙の果てまで(9.4×10の21乗km)でした。
ある人は数学者になって計算法を確かめて、ある人は経済学者のArrowのまねをして、幾通りにもグループを組みかえて話し合いをする間に、世の中もう少しましになるのではないでしょうか。
2. 複合合理体が創発中
現在、炭酸ガス削減計画についてだけでも、1000を下らない大小のボランティア・グループが発言しているようです。大きなところは会員数1万〜3万というのもあります。さて京都会議の運営はできるのでしようか?
日本の閣僚だって、地球の問題に関しては、上の問題の答えを「東京タワー」という程度の知識レベルでしょう。同じ穴の狢が集って密室で物事を決めることほど危険なことはありません。特に地球環境問題では、わたし、それにあなたの子孫の命がかかっているのですから。