松下電器産業(株)
佐藤公平
(環境保護推進室参事)
松下電器グループの環境保護活動
21世紀の経済活動の継続的発展を可能とする、高循環型社会の構築は一般市民、企業、行政機関全体で取り組まねばならない緊急的、最優先テーマの一つである。
松下電器グループは1991年に『松下電器環境宣言』を公表すると共に、環境管理基本方針を含む『松下環境憲章』を制定し、グローバルで先進的な環境保護への取り組みを国内・外の全事業場を挙げて推進してきた。以下に本パネルセッションの主題に沿ってそれ等の概要を報告する。
1. 廃棄物削減の取組み
高循環型社会における廃棄物削減の究極の姿は排出物をゼロにするいわゆる「ゼロエミッション」である。わが社では廃棄物削減を省資源・リサイクルの一貫として自主行動計画(ボランタリープラン)に取り上げ、2000年における廃棄量を1990年度実績の25%にする目標で取組んでいる。具体的には、排出物の分別回収によるマテリアルリサイクル、サーマルリサイクル等をはじめ、部品ケースの供給業者への返却・再利用、梱包の簡易化、材料使用効率の向上、工場排水のリサイクル化、等キメ細かく取組んでいる。
ユーザーで使用済みになった耐久消費財、消耗材等の廃棄も、メーカーの直接的な排出ではないが、廃棄物処分場対策、資源の有効活用等の点から取組みを始めている。例えばNi-Cd蓄電池について全国の電器販売店等に回収ボックスを設け回収・リサイクルを実施しており、自動車用バッテリーは電装品販売店等のルートを通じて回収・リサイクルしている。又、テレビ、冷蔵庫について(社)家電製品協会の回収・リサイクル実証事業に関西地区における幹事会社として取組むと共に、今後の本格的な回収・リサイクルシステム事業にに向けた取組みを推進している。
使用済み製品のリサイクルを効率的に推進するためには、製品設計の段階からリサイクルを想定した設計が必要であり、全社横断的な『高循環型商品づくり委員会』を発足させ、製品の省エネルギー設計、使用材料中の環境負荷化学物質の使用削減・全廃等と共に環境に配慮した製品づくりを積極的に進めている。
2. 環境配慮とIS014000
わが社では、『松下環境憲章』の制定と共に、環境マネジメントシステム(EMS)の構築をスタートさせ、1998年度中に国内・外の全事業場が認証機関による認証取得を完了するよう推進中である。EMSを構築することは環境保護活動を正しく推進する仕組みを整えることであり、EMSの中で自主的に事業場のあるべき姿を描き、これを目的・目標、環境マネジメントプログラム(活動計