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維持は公的資金によって支えられています。従ってこうした資金と支出に対する最終的な責任は、カリフォルニア州が負わなくてはなりません。OSPRの室長がこれらの資金の割り当ての全ての責任を負っているので、ネットワーク諮問委員会が受託者として責任を負うことはできません。しかし、室長はネットワーク諮問委員会によって代表された団体の要求を認識していますし、油汚染野生生物救護ネットワークの責任ある運営へのこうした団体の関与も認識しています。従って室長やその代理の者は、ネットワーク諮問委員会の全ての勧告を非常に尊重します。

施設、装備、供給品を初めて準備する時期に必要な資金は、油流出対策信託基金(Oil Spill Response Trust Fund)(8670.37.5(e)(2)条)に預けられた基金から得られた3年分の利子収入でまかなわれてきました。油汚染野生生物救護ネットワークを継続して運営、維持するために必要な資金を供給するために、この資金提供の期間は4年まで延長され、最小限度の運営と維持の資金がこうした4年間に渡って配分されてきました。4年間に渡る建設期間に、計画、設計図書、実際の建設にかかる費用として約7億3,680万円が支出されます。これらの資金は、北部の海岸地域、サンフランシスコ湾地区、サンタクルーズモンクレー湾地区、中央海岸地区、ロサンゼルス、オレンジカウンティー、サンディエゴでの施設の建設や増改築のために使われてきました。

また予算の見積りは以下のようなコストをカバーできるように作成されています。プログラムの運営と支援、オンライン記録システムの維持、参加団体への装備と訓練と必要品の提供、サンフランシスコとロサンゼルスの鳥類センターの施設マネージャーの費用、サンフランシスコ、サンタクルーズ、ロサンゼルスのセンターの運営維持、必要な許可しうる範囲での他の参加団体への緊急の支出と維持、初期の対応者と油汚染野生生物救護ネットワークの主導的リハビリテーション担当者への対応の給与、有害廃棄物処理および緊急時対応訓練および有害物質取扱(HAZCOM)訓練とそれらに必要な復習コースなどです。

また、参加団体からの緊急支出の要請に関しては、その要請は野生生物ヘルスセンターのプログラムディレクターに対して行われます。もし要請金額が6万円を超える場合は、プログラムディレクターは資金支出の推薦状と共にその要請を諮問委員会に回します。

技術や改善された治療手法を開発したり評価したりすることは最高の治療を提供するために不可欠であるため、研究資金の助成も行われます。科学的諮問委員会は助成プログラムに申請されたプロジェクトを評価し、科学的価値の観点やネットワーク諮問委員会によって勧告された研究の優先課題に対する適用性を判断します。

さらに、科学的諮問委員会は目的と予算の範囲についても、その時間対費用効果の適切さを評価するでしょう。科学的諮問委員会の勧告はネットワーク諮問委員会によって審査され、このことによってまた、助成を実行するための最終的な勧告をプログラムディレクターにすることになります。油汚染野生生物救護ネットワークの全ての活動と同様に、研究資金を助成するプログラムはネットワーク諮問委員会によって審査され、OSPRの室長はその勧告を非常に重視し、適切と判断した場合は勧告された内容を実行します。助成金は助成金の有無というよりは価値と適切さの評価によって与えられます。

事業年度の初日の1996年7月1日、油汚染野生生物救護ネットワークの運営と維持のための予算計画が審査のためにネットワーク諮問委員会に提出されます。ネットワーク諮問委員会によって審査され批評を受けると、その年度の予算は最終的な承認を得るためにOSPRの室長に提出されます。

 

B. 対応コストの標準化

油に汚染された野生生物の救護対応を予想できる、財政的に責任あるものとするために、油汚染野生生物救護ネットワークはコストの分類を決め、また個人に支払われる給与も標準化しています。これらの料金体系はプログラムデイレクターが全ての参加団体からの意見を参考にして決めます。OSPRの室長またはそれに指名された者による最終的な決定の前に、料金体系は審査と批評を受けるためにネットワーク諮問委員会に提出されます。油汚染野生生物救護ネットワークの参加団体と個人が必要としたコストに関する全ての請求書は、野生生物ヘルスセンターにあるネットワーク本部にまとめられ、事故原因者または油流出対策信託基金に提出されます。こうする事によって、適切なコスト分類と料金体系を適用することができ、また請求書の作成発送も簡素化できます。

 

閉会の辞

野生動物救護獣医師協会会長

野田 泰道

 

皆さんこんばんは。本日は日本財団、(財)世界自然保護基金日本委員会、日本ウミスズメ類研究会、野生動物救護獣医師協会、それから後援の13の団体の力によりまして、無事に終了できましたこと、また長時間に渡りまして講演して下さった先生方、特にカリフォルニアから来られました先生方に感謝の意を表したいと思います。

これからも共に勉強の場でございますが、先生方の力を得ながら一歩一歩前進して行きたいと思います。

日本のこの海の汚染の問題、海獣、海鳥等の問題以外にも、これから地球のどこかでこういう問題があった場合は、日本としても協力していきたいと思います。今後ともどうか宜しくお願い致します。

また長時間になってしまったことを申し訳なく思いますが、せっかく外国から来られた先生方から少しでも多く勉強したいという願いでございましたので、ご容赦願いたいと思います。またこういう海の事故が絶対ないことを願いまして、閉会の辞にさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

 

 

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