もし複数の地方の施設を用いずに、1ヵ所の長期リハビリテーションのための施設を使うなら、その施設は屋内面積として115?u以上は必要です。屋外に設置するケージや海鳥用のプール、事故対応装備の置き場所として屋外にも敷地が必要です。油に汚染された野生生物に対応するための機能的な設備として最低限必要な要素は次の通りです。受け入れや一般身体検査や証拠収集などに必要なスペース、隔離室のある動物治療施設、屋内の野生生物用の保護箱やケージ、食料保管庫と台所、洗浄およびすすぎのスペース、屋内の乾燥用のケージ、ボランテイアのための訓練スペースや食堂や手洗い、複数の電話やFAXの回線と会議スペースを備えた管理事務所、倉庫、屋外のプールやケージ、病理解剖室、大きな駐車場へのアクセスなどです。これらのスペースの大部分は、油流出事故以外の平時に他の目的で使えるように設計することができます。
民間の参加団体の統合
油汚染野生生物救護ネットワークの一員になりうると考えられる有能な関連団体は、過去の油流出事故の際にボランティアとして手伝うことを申し出てくれた団体と大抵一致するものです。参加団体は人材を適材適所に配置するといった一致協力した対応をするよう努力することが望まれます。よく計画されたシステムは、現在ある専門知識と改善のためのふだんの努力の上に成り立っています。また効果的な対応システムを作り上げる鍵となるのは、毎年行われる訓練プログラムです。この訓練では、油に汚染された野生生物の最新の救護技術についての説明や、油に汚染される危険がある種を飼育した場合の健康管理上の問題の説明のみならず、有害物質の安全な取扱方法についても説明されます。さらに、この訓練プログラムには、スムーズな事故対応を行うために、事故対応の際に誰がどんな役割を担い、どのような経路で指示が伝達されるかといった内容も含まれるべきでしょう。油流出事故の模擬対応などの訓練は、作業の連携を円滑にする関係を築いたり、事故対応の際に重要な役割を担えそうな人を見つけ出したりするのにとても効果のある訓練手法であることが証明されています。
流出事故の際、野生生物の救護とリハビリテーションの仕事は予備知識や訓練レベルが違う様々な個人の集団によって担われます。カリフォルニアでは油汚染野生生物救護ネットワークの多くの施設が、必要最小限の人数の専従職員によって管理され、献身的なボランティアスタッフによって運営されています。その他の施設は二重利用の施設であり、そこでは様々な分野の有給の専門家が雇われています。次に、油流出事故対応の際にネットワークの参加団体が行う仕事の分類の説明をいたします。流出事故によって必要かつ適切な仕事が異なりますので、それぞれに必要かつ適切な仕事だけが要求されるという点に注意して下さい。ほとんどの油流出事故対応では、以下に示される仕事の全てが必要になることはないでしょう。しかし大惨事を想定した詳細な計画においては、以下に示された仕事の全てに対して必要な個人または団体を特定しておくべきです。
獣医師
油流出事故の際の油に汚染された野生生物の救護とリハビリテーシヨンの処置に関して、幅広い経験と知識と理解を持っている獣医師免許を持った獣医師。油流出および危