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結 論

 

油流出事故は今後も続き、21世紀も米国西海岸で海鳥を死亡させたりその個体群に影響を与え続けるでしょう。油汚染の規模を測定し、その影響を軽減する努力は今後も必要です。

 

カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州での包括的な海鳥の研究と管理は沖合いでの石油開発の可能性に関する資金を用いて大きく発展してきました。こうした研究や管理によって、海鳥の個体群、生態、これらの地方が抱える保護上の問題などに関する多くの知見が得られています。

 

米国西海岸では、油汚染による海鳥の死を軽減しようという努力は、以下のようなことを開発、改善することで数十年かけて発展してきました。

1)海鳥の個体群と生態に関する知見

2)法的な保護および政府による管理

3)油流出事故による海鳥の致死被害を記録する手法

4)油流出事故やその他の原因による海鳥個体群に対する影響を評価するために必要なベースラインデータ

5)支払われた賠償金を用いた効果的な回復プロジェクトなどです。

過去の事例では、海鳥への油汚染の影響は低く見積もられていました。しかし近年の研究では、油汚染は米国西海岸の海鳥個体群と沿岸の環境を保護する上での深刻かつ継続的な問題であることが明らかになっています。

 

謝辞

私達にこのシンポジウムへの参加を呼びかけて下さった野生動物救護獣医師協会、日本ウミスズメ類研究会、世界自然保護基金日本委員会、日本財団の皆さんに感謝いたします。特にJ.N.Fries氏と植松一良氏のご尽力に感謝いたします。さらに、D.W.Anderson, A.Burger,J.Holcomb,G.J.McChesney,J.Mazet,J.Momot,N.Nur,G.W.Page,M.W.Parker,J.Roletto,J.Skirletz,K.Warheit,J.Whiteの各氏からは貴重な情報とご意見をいただき、また挿入図についてはG.J.McChesncy氏から提供していただきましたことを申し添えます。

 

 

 

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