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付録1:追加推奨項目

 

将来の油流出事故対応と訓練プログラム

1) 油に汚染された海岸から動物や鳥を収容してくる作業に参加できるのは、訓練された人だけにすることです。訓練では、鳥の保定方法と生体や死体で回収された鳥の取扱方法が教授されるべきでしょう。

 

2) 動物の被害鳥回収作業や海岸での油回収作業の際に石油化学製品に晒されることで生じうる健康障害からいかに自分の身を守るかを知ってもらうための、有害廃棄物処理に関する訓練プログラムが実施されるべきでしょう。

 

3) 野生動物救護獣医師協会は、獣医師、リハビリテーション担当者、油に汚染された野生生物の救護に関心のあるボランティアを対象とした訓練コースを企画するべきでしょう。訓練は国際鳥類救護研究センター(Berketty,CA)と野生動物救護獣医師協会の合同で行うことができます。訓練内容は定期的に更新すべきであり、また訓練された人材の全てを把握するデータベースがコンピューター上で維持されるべきでしょう。

 

4) 訓練された人には、受け入れ時の全ての作業、チューブを用いた強制給餌、鳥の洗浄、鳥の防水性の評価をこなす能力があるべきでしょう。訓練された人に「訓練修了」カードを与えることで、どの人が事前に訓練を受けた人かを見分けやすくなるでしょう。

 

被害鳥回収作業

1) 油に汚染された野生生物の彼害鳥回収作業は、死体の海岸漂着調査(ビーチカウント)が行われている海岸と同じ海岸で行われるべきでしょう。もし鳥の生体を救護した場合は、ペット用のケースか段ボール箱に入れ、暖かい(24〜29℃)静かな場所に置き、なるべく早くリハビリテーション施設に移送すべきでしょう。暖かい場所に入れる場合は、温度が上がりすぎないように定期的にチェックするべきでしょう。その鳥を救護した場所を記録することも重要なことです。

 

2) 油に汚染された野生生物の被害鳥回収作業は、(天候と海の状況が許せば)十分に訓練された人によって洋上でも行われるべきです。何故なら海から素早く放出された鳥は、生存の可能性が高くなるからです。洋上で救護できるのは主に非潜水型の鳥(クロガモ類、カモメ類やアブサン類など)で、潜水型の鳥(アビ類、ウ類、ウミスズメ類)も少しは救護できるでしょう。

 

3) 油に汚染された鳥の生体の被害鳥回収作業は、流出が終わってからも数週間は続けられるべきでしょう。何故なら少しだけ油に汚染された,鳥は徐々に衰弱し、弱った時に岸に打ち上げられるからです。救護される鳥の数が減ってきたならば被害鳥回収作業は、1日に1度か2度に減らしてもいいでしょう。

 

 

 

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