日本財団 図書館


ジンは、軽量車によく用いられており、エンジンのパラメーターは燃料の質やエンジン負荷を含む様々な条件に適合しやすい。

 

リーンバーン技術が大型車に用いられている理由は、できるだけ高い効率を得るためである。欧州では従来から大型エンジンはディーゼルエンジンが用いられている。一般的にリーンバーンの原則によれば、ガスを燃料とする火花点火エンジンは、ストイキの場合よりも効率が高いが、どちらにしてもディーゼルエンジンの効率より劣る。大型エンジンでは効率が特に重要であるため、ほとんどのガス用エンジンメーカーは、リーンバーン技術を選択している。

 

ウォンベインデックスの変動に関する問題はバイオガスにのみ特有なものではなく、世界的には天然ガスについても同様の問題がみられる。

スウェーデンがデンマークから輸入する天然ガスはウォンベインデックスのばらつきは非常に少ない。しかし、欧州全体では同インデックスの変動幅は比較的大きい。この主な理由としては、欧州は様々な供給元から天然ガスを調達していることが挙げられる。

現在スウェーデン国内にも欧州内にも、ガスを燃料とする自動車のエミッションを規制する法律はない。

欧州では、軽油を燃料とする自動車を対象としたより厳しい排気ガス基準、将来の「ユーロ?V」の導入について議論が行われているもまた、ガスを燃料とする大型自動車についての排気ガス基準導入の議論がある。こうした基準を満たすためには、おそらく適合するシステムが必要になってくるが、スウェーデンの市場は、こうした開発を促進するだけの規模になっていない。しかし、天然ガス自動車に関する規制が導入されることで、比較的近い将来、ウォンベインデックスのばらつきの問題は解決されると見込まれる。

 

成果と討議内容

 

バイオガスの仕様の策定作業は、以下の段階を経ている。

 

1.専門家らと協議してバイオガスの質を決定する。バイオガスは、家庭ら)の有機廃棄物などから生産される。ヘドロや工業廃水から生産されたバイオガスは、メタンや二酸化炭素などの含有量が少ない。ごみ処理場の廃棄物を利用して生産されたバイオガスは様々な成分を含んでおり、メタンや二酸化炭素、窒素の含有量は比較的多い。スウェーデンは現在までに、ごみ処理場から生産されるガスを自動車用燃料に利用するため、ガスの清浄化と質の向上に関するプロジェクトを実施している。また、貯えられた廃棄物から生産されるガスは汚染物質に関連した問題はないが、知識の蓄えは充分ではない。今日では、有機物質からバイオガスを生産する方法が広がりつつあるが、処理施設の数が少ないためガスの成分についての経験がほとんど得られていない。この場合、ヘドロから生産されたガスに比べて、より多くの成分が含まれているもの

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION