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バイオガスにおいて、カスを除いて原料として最も現実的なものは、動物肥料と並び工場や家庭からの有機廃棄物です。廃棄物、カスおよび動物肥料の原料は、おそらく5-6TWhの能力があると推定されますが、技術上の、また経済上の理由から生産の可能性は約3TWhに制限されています。しかしながら、燃料の需要の変化はすべてのガスを自動車の運行に使用することを困難にしています―将来的には、むらさきうまごやし、おおあわがえり、およびクローバーのような農作物が実際に使われるようになり、原料資産がかなり増加することになるでしょう。

もし約100,000ヘクタールの農作物が利用されれば、1.5TWhのバイオガスの生産につながるでしょう。しかしながら、作物と原料の広範な輸送のため、工場からせいぜい10km以内の農地の利用の可能性が制限されています。もし全体で1.5-3TWhが燃料として使用されたら、これはディーゼルの全使用料の5-10%に相当します。

 

木材から

 

エネルギー生産の目的のために利用可能な木材の原料から、かなりの量のエタノールが生産されるはずです。しかしながら、技術が開発される必要があります。理論的には、現時点では利用されていない木材の生育物の一部から、運輸分野で消費される総燃料の約3分の1に相当するエタノールを生産できる可能性が存在しています。しかしながら、このバイオ原料は主として、熱の生産のために化石燃料の代替として使用される可能性が高いといえます。ひとつの意見は、木材からのバイオ原料は、2020年までに、2-4TWhのエタノールあるいはバイオメタノールの生産に利用できる可能性があるというものです。

 

他の国で何が起こっているか?

 

ブラジル

1970年代半ば以降、ブラジルはサトウキビから作ったエタノールを乗用車のための燃料として使用しています。約100万台の車が現在純粋エタノール(E96)を使って走行しており、他の600万台以上の車がE22、つまり22%エタノールとの混合ガソリンで走行しています。全体として、これはガソリンで走る車で使われている全ての燃料の半分をエタノールが占めているということになります。今日しばしば問題になる点は、全体として、E22で走行する車を選んだ買い手にだけエタノールが配送されるということです。

 

 

 

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