プロパンは、検討された他の液体自動車用代替燃料と比べると、非常に揮発性の高い燃料である。プロパンのリード蒸気圧力(RVF)は、プロパンに次いで揮発性高い燃料であるガソリンの蒸気圧力を大きく超える数値である(100kPに対し1400kPa)。プロパンは、液体の状態を維持するために、常温の穏やかな圧力(110〜150psi)の下で貯蔵される。事故によりプロパンが大気への流出した場合、液体の約3分の1が華氏マイナス70度およびそれ以下で蒸気に引火する。漏出したプロパンは、それが地表に到達する以前に蒸発した微細な飛散物に変える圧力の違いから、速い速度で流出するだろう。更に流出量が大きくなると、地表が十分に冷たくなり、プールの活発な沸騰がおさまるであろう。蒸発は全てのプロパンが流出するまで続くだろう。プロパンの急速な蒸発のために、その液面燃焼速度は、考察された液体自動車用代替燃料全てのうちで最も高い。その結果、プロパンの火災からの熱放射率は、ガソリンの同じ液体流出量による火災の熱放射率のおよそ2倍である。プロパンの爆発限界は、ガソリンのそれと同様である。従って、同量のガソリンの不慮の流出と比較したとき、プロパン蒸気は、単に燃料のはるかに高い揮発性とその結果生じる更に大きい量の引火性のプロパン/空気の混合気のため、点火源と接触する傾向がより強い。
他の興味深い物理的特性は、プロパン蒸気が空気より重いため、それが漏出の個所から下降するであろうこと、そしてもし十分な換気が行われない場合、低い部分に蓄積され滞留することである。
(b)輸送中の火災の危険性
プロパン燃料は、通常約10,000ガロンまでの積載能力を持つタンクローリーにより事業所の貯蔵所に配送される。 全てのプロパン用タンクローリーは、米国交通局の危険物規則および連邦車両運送安全規則に適合しなければならない。 この規則は、貨物輸送のために材料の設計要素および圧力安全事項を特定している。主な内容は、異常に暖かい日に、容器がプロパン蒸気を放出しないように、圧力安全弁を設置することである。これらの容器の全ては、通常、鋼鉄から製造され、ASMEの圧力容器基準で認可されている。容器の最小設計圧力は、摂氏45度(華氏115度)におけるプロパンの蒸気圧力に基づいている。その温度での商業用プロパンの蒸気圧力が243psigであるため、タンク材料のタンク圧力計算および選択に関する設計圧力は通常4:1の安全率250psigである。
これらの要求により圧力は、タンク容器の設計強度は非常に大きくなっている。液化天然ガスのための二重外壁タンクを除いては、プロクミンのためのタンクローリー上の容器は、圧力が加えられない他の液体自動車用代替燃料の輸送と比較し、事故に関連した機械的な力による破裂に対し抵抗力がより強いという効果がある。
他方、適度に高い圧力の液体燃料の輸送は、継目、および結合金具に関して燃料漏出の可能性が増えていることを意味している。取付けおよびバルブと共にホースを含む配管システムは、予期された圧力についての規則の要求に添うように全て設計されているであろう。しかし、路上の頻繁な使用により、あらゆる装置の部品に関しては、小さい漏出につながりかねない実際上の摩耗や振動の可能性が増加する。
(c)事業所の貯蔵所への荷下ろし中の火災の危険性
プロパンは、通常タンクローリーから貯蔵容器にポンプでくみ上げることにより、事業所の時蔵所に転送される。「燃料のあらゆる輸送と同様に、これは貯蔵設備への大量輸送において、最も潜在的に危険性のある部分であるとみられる人が圧力の加わったバルブおよ