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動するよう設計されている。遠隔操作の長い液体バルブ;過度の充填を防止するための貯蔵容器警報装置;そして、流出した液化天然ガス蒸気を安全な方向に向けるための長い排出パイプ。

 

燃料輸送手配の複雑さは、人的過誤や装置の欠陥を通じて、漏出および流出の可能性を生み出す。とりわけ問題となるものの一つは、燃料移送装置が超低温まで冷却され、また常温まで暖められるという連続的なサイクルを経ることである。この種の熱冷却は、装置やシール材に更なる応力を与え、時間の経過とともにそれらに対する信頼性を低下させる。

 

(d)事業所での貯蔵中の火災の危険性

 

総貯蔵量70,000ガロン以下の現場における液化天然ガス設備に対する要請は、立案中のNFPA57において液化天然ガス車両燃料システムに関する基準として定義されている。

NFPA59A-液化天然ガスの製造、貯蔵および取扱いに関する基準は、70,000ガロン超の貯蔵容量に適用される。これらの両方の基準は、貯蔵タンクの場所、漏出および流出の管理に対する規則、および貯蔵容器と液化天然ガス輸送機具の基本設計を含む同様の問題に言及している。

 

あらゆる液化天然ガス貯蔵設備の主要な規則のうちの1つに、容器を取り囲む区域を設けることが求められているということが挙げられる。これは、重要な関連設備や近隣の建物を危険にさらし、あるいは水路に達することから液化天然ガスの不慮の流出の可能性を最小限にするためである。

 

この要求は、事業所の貯蔵設備でのあらゆる規模での燃料流出が十分食い止められ、あらゆる火事による損害のリスクが最小限にされるであろうことを保証する。

 

(e)その他の危険性

 

液化天然ガスは、超低温への人の被曝の可能性のために、自動車用代替燃料の中でも特異な安全性に関する危険性を持っている。作業者は、超低温の液体、金属および冷凍ガスとの直接的な人体接触から超低温火傷をする可能性がある。液化天然ガスの被曝あるいは超低温の金属との直接的な接触は、蒸気にさらされたときより更に急速に皮膚組織を損傷し得る。

 

不慮の暴露による超低温火傷のリスクは、適切な保護服の使用で減らすことができる。被曝の危険に応じて、この保護はゆったりとした耐火手袋およびフルフェースのシールドから特別の多層保護服まで多岐にわたる。

 

液化天然ガスと関連したもう一つの特異な危険性は、まとまった水の上に液化天然ガスの大規模な流出が起こるという、可能性の低い古い出来事に関するものがある。これは、液化天然ガス輸送車両のタンクの破裂および液化天然ガスが隣接した水溜りに流出したという事故状況の中で発生する。この危険性は、急速相転移(RPT)として知られている。このケースでは、液体の状態から蒸気の状態への急速な状態変化である。もし多量の重大な蒸発が短時間内に発生した場合、通常、爆発につながって行く。

 

水上での液化天然ガスの急速な状態変化による「爆発」現象は、多くの状況が観察され、研究室および大規模実験において広く研究された。 水の温度および液化天然ガスの実際の成分は、急速な状態変化が起こるかどうかを決定する際の重要なファクターである。急速な状態変化は摂氏55度から0度(華氏130度から0度)の範囲の水温度での純粋液化プロパン

 

 

 

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