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スウェーデンにおける代替燃料の普及のシナリオ

 

出典:Implementing of Alternative Fuels in Sweden

A report to the Governmental Commission on Transport and Communications

 

(1) はじめに

輸送・通信に関する政府委員会は、スウェーデン運輸通信研究庁(KFB)、産業技術開発省(NUTEK)および運輸通信解析研究所(SIKA)に対し、2010年までに道路輸送部門で利用される燃料の15%を代替燃料とすることについて調査を行うよう求めた。調査期限は96年9月20日であった。

作業グループには、SIKA、NUTEK、KFB、IEA/AFIS(国際エネルギー機関自動車燃料情報サービス)、IVL(スウェーデン環境研究所)の代表者が加わっている。

以下の点を基本として調査を行った。

代替燃料の導入に際しての経済および公共財政面の影響

・150万立方メートルのバイオエタノールの供給・流通を行った場合の推定の年間費用

・代替燃料の導入計画

 

また、代替燃料の導入のための3つのシナリオを作成した。

シナリオ1およびシナリオ2は、2010年までに運輸部門に利用される燃料の15%をバイオ系の燃料とすることを目標として想定したものであり、シナリオ3は、目標年を2020年に先送りし、バイオ系燃料の導入目標率を10%引き下げることを想定している。

 

(2) 代替燃料とは

ここでいう代替燃料とは、ガソリンおよび軽油の代替となる燃料を指す。

表1は、近い将来どの代替燃料が注目されるかを示したものである。化石燃料をベースにしたものと、再生可能な原料をベースにしたのものとに分け、されらにそれぞれを、利用が限られる場合(普及率0〜10%)と大規模に導入される場合(普及率10%以上)の観点からみている。

この表から、将来利用できるような技術の条件の評価が得られる。エネルギー貯蔵の観点からみた、代替燃料の大量普及による経済的、環境的な結果および影響は、詳しく分析されていない。ここでは短期を10年、中期を10〜20年、長期を20年以上と考えている。

表から分かるように、再生可能なエネルギー資源をペースとした燃料で将来大量に利用されるものは、おそらく非常に限られる。これはまずバイオアルコール燃料について言えることで、植物油やバイオガスといった代替燃料は利用が限られる可能性が

 

 

 

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