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(充填所外観は写真2参照)

 

Q 試験車導入の主なメリットは何ですか?

A 一番のメリットは、エミッションがゼロだということです。シカゴは大都市で交通量も大変多く、大気の浄化が非常に重要となっています。さらに、水素燃料は、水やメタノールをはじめ様々な原料から生産できます。代替燃料の利用が拡大すれば、化石燃料への依存度は低下します。

 

Q 試験車の普及について見通しはいかがでしょうか?

A はい。この種類の技術の将来的な可能性は非常に大きいと考えています。環境的な側面も非常に重要で、こうした種類の自動車(または類似の自動車)の導入によって、現在化石燃料を利用する自動車から排出されている汚染物質は徐々に減少すると期待されます。

 

Q こうした自動車を普及促進する上での、主な障害は何ですか?

A 車両や燃料の価格が高く、運行に必要なシステム(電気システム、冷却システムなど)が複雑なことが現時点の障害です。化石燃料を利用する従来の自動車の価格に対抗し、広範な普及に至るまでには、価格の低下やシステムの簡略化が必要です。

 

車両同乗に関する感想

実際に、車両に乗せてもらったが、電気自動車と同じ(モーターで走行)なので走りは非常になめらかで、加速もスムーズであった。排気管から排出される排出ガスは黒煙ではなく、真っ白な煙(水蒸気:気温が低いため)であり、排出ガスの清浄性を象徴するものであった。燃料電池自体の音はしないが、逆に車内が静かなため、燃料電池に酸素(空気)、燃料(水素)を送り込むためのコンプレッサの音がやや気になったが、もちろん、騒音レベル自体はベースのディーゼル車よりも格段に低いと考えられる。

燃料電池バスを、実際の営業運行に供するのは多分世界でも初めての試みであると思われ、(政府の補助もあるが)多大な資金をかけ、先駆的な事業に挑戦していることに驚いた。

燃料電池は、将来の低公告・代替燃料自動車技術として内外で注目されており、このプロジェクトの今後の進展に注目して行くと、要がある。

注)単位換算 1ドル=130円

 

 

 

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