3.1.2 シカゴ市交通公団
(1) 訪問日時及び応対者
訪問日時:1997年12月15日
応対者 :Mr. Craig M. Lang 機材、情報管理グループ担当、副社長
Mr. Ralph E. Malec バス技術サービス 部長
(2) シカゴ市交通公団概要
所在地:Merchandise Mart Plaza Chicago, Illinois 60654
鉄道およびバスによる旅客輸送業務を行っている公営交通機関であり、従業員は12000人、バス1882台(全長40フィートの低床バス65台と連結式バス82台を含む、8箇所の車庫がある。)、電車1100両(路線6系統)を所有している。年間売り上げ10億ドル(約130億円)とのことである。
シカゴ市交通公団は、米国のクリーンシティープログラムの一環で大気汚染対策、C02対策のため、クリーンな代替燃料自動車として燃料電池(水素)バスに注目し、導入を進めている。燃料電池(水素)にした理由は、現状では、メタノール、炭化水素等を利用した燃料電池が市場に無いからとのことであった。カナダのバラードパワーシステムより3台の燃料電池(水素)バスを購入し、自社の車庫内に水素燃料充填所1箇所を設置している。2年間の走行試験でコスト、メンテナンス、運行上の課題等を調査し、ディーゼルバスと比較する計画である。
(3) 調査概要
以下にシカゴ市交通公団にて行ったヒヤリング内容を質問と回答という形で示す。
・試験車主要諸元について
全長 40フィート(約12メートル) 低床バス(写真1参照)
出力 275PS(ベースデイーゼルバスと同じ)
排出ガス なし(出るのは水蒸気と廃熱だけ、ゼロエミッションである。)
燃料 圧縮水素(充填所には液体で貯蔵、充填時に気体にして圧縮)
燃料電池 カナダのバラードパワーシステムのものを使用。
車両はニュー・フライヤー・インダストリーズ社にて製作。
燃料搭載量 27000立方フィート(圧力3600PSI:約253気圧)
屋根に9本の燃料シリンダを搭載している。
1台の充填時間 約20分/回
価格 140万ドル(1億8200万円)
(ディーゼルバスは27.5万ドル(3575万円))
*バスの購入費用は、市、州政府、連邦政府の助成で100%まかなわれている。
・車両に関して
Q これまで車両に関する問題や事故はありましたか?
A ありません。現在までのところ、試験車は営業運行されていません。当局が保有す