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あとがき

 

本事業は日本財団の補助を受け、一般用メタノールと内燃機関の燃料用メタノールを識別するための着色剤の利用に関する調査を実施したものであり、きわめて実際的な利用上の諸問題を取り扱った。本委員会の委員長・早稲田大学の大聖泰弘教授はじめ、関係各位のご協力により当初の目的を達成することができたことに対して心より感謝申し上げる次第である。

本調査の結果、ニートメタノール燃料(M100)への着色剤として選択した添加剤は安全で環境への影響もなく、十分な識別性能を有していることが実証された。また、添加方法としては、現在ですでに利用が進められている規模の需要であれば、人手による方法が設備とコストの両面で現実的と判断されたが、将来、メタノール燃料の需要と供給量が拡大した時点では着色剤の添加プロセスは機械設備による方法に移行することにより、コストは大幅に低減できるものと予想される。今後の実用化が期待されている自動車用メタノール燃料電池等の新たな動力源が実用化されれば、需要拡大がさらに進むであろう。その場合には、一般用メタノールとの識別方法に関しては再度検討することが必要になる可能性もある。この報告書が、そのような状況にも対して先陣的な役割をも担い、将来の自動車用燃料技術の一助となることを期待したい。

 

 

 

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