第10章 着色メタノール燃料供給システム、コスト検討
10.1 着色剤の添加及び着色したメタノール燃料の流通プロセスの検討
現行程度の流通量で現行のルート、設備をベースに、着色したメタノール燃料が流通することを前提にして、図10-1に示した手順に基づき、着色剤添加プロセス、経済性評価検討を行った。
検討結果
(1)現状の供給形態調査
図10-2に平成8年10月から平成9年3月までの実績に基づく現状のメタノール燃料供給ルート、供給量を示す。
平成8年10月から平成9年3月までの半年間で約900トンのメタノールが自動車用燃料として使用されている。
現状では、一次基地よりローリーにて燃料スタンド(地下タンク)まで輸送するルー卜での供給量が大半を占めている(約67%)。二次基地からのローリー配送は約15%、ドラム配送は約18%である。
(2)着色を実施した場合の課題
現状の供給ルートをベースに、着色したメタノール燃料を供給することを前提に、図10-3に示した四つのケースについて検討した。
次ページに検討結果をまとめた。いずれのケースも課題があるが、現行程度の流通量で現行のルート、設備をベースに着色したメタノール燃料が流通することを前提に(ルー卜内の流通量の増減は可)、以下の点を考慮し着色剤を添カロするための最適ケースを検討すると、ケース1が最も現実的であると考えられる。
・コストを最小にすること。
・現状の化学用メタノールの供給に与える影響を最小限にすること。
従って、コスト計算、法的検討は最も現実的であるケース1について行うこととした。