ごあいさつ
Since1977→お陰さまで創立20周年!1977年、拙作『ワルツの夢』で産声をあげた「日本オペレッタ協会」は、創造部門と鑑賞部門を両輪に一つの運動体となって、異文化たるオペレッタのはんとうの姿、本来あるべき姿、その魅力と魔力を日本の土に根づかせ、芽吹かせ、花を咲かせるべく、蝸牛のように一段ずつ二十段上り、お陰さまで成人式を迎えることが出来ました。「檜舞台」という言葉があります。能舞台は檜で出来ていますが、その檜は山から伐り出した後、舞台用の板にして陰干しにします。すると板が反ってきます。反った所を丹念に平らに削り、また陰干しにする。また反る。また削る。この繰り返しを20年間続けると檜の板は反らなくなり、そこで晴れて板を敷き込み、舞台にし、柱を立て屋根を作り、能舞台が出来るそうです。基礎づくりにはそれ程、手間暇がかかるのだと、私は20年目を迎え、改めて実感しました。私たちは基礎づくりを終え、ようやく「21世紀はオペレッタの時代に!」へ向かって、ほんとうの意味の出発点に立つことが出来ました。その間、どれだけ多くの人が、私たちの手となり、足となって助けて下さったことか。適時、適材、適所、まるで芸術の神の使者のような人が現われ、無償で、時には数人が連携プレーで援助して下さいました。おそらくその方々は、日本で素敵なオペレッタが上演され、愛好者が増え、みんなが楽しめたら、という気持で、奉仕して下さったのでしょう。私たち(財)日本オペレッタ協会は、そうした方々のご好意に応え、今日の疲れを癒し、明日の勇気と希望と夢をつむぐ、感動的な舞台を創り続けてまいります。美わしの五月、祝祭気分横溢の『春のパレード』で共に20周年を祝っていただければ幸いです。
財団法人日本オペレッタ協会 会長 寺崎裕則