ここで魚が釣れたことを思い出してもらい、きれいにしてもらえたらということで実施しています。
昭和40年代には小学生の写生大会で川が真っ黒に描かれたこともありました。
クリスマスの時は「サンタが川からやってくる」と題し、プレゼントを積み、川から川辺の家や人々にプレゼントを投げ渡して毎年楽しみにしてもらっています。
「とにかく川を楽しんでもらおう」、それが川をきれいにすることにつながると思っています。水辺のステージから川を見てもらう、そして、汚れている川を見て、きれいにしなくてはいけないと思ってもらえたらいい。川をきれいにするには、掃除と川で遊んでもらうことが大事です。ふだんの生活の中から見てもらい、少しずつきれいになっていけばいいと思っています。
●新町川整備
ひょうたん島の整備が進んできて、毎年のようにどこかの護岸を必ず直しています。ひょうたん島はどんどん変わってきており、最初の水際公園が良かったからか、次々と新しい計画が出されています。
水がきれいになると人が川を見てくれ、家が川に向いてきます。ボードウォークでも川に向かって店ができ始めています。
ボードウォークやその近辺の公園でのフリーマーケットは、多くの人で賑わっており、これも水がきれいになったからだと思います。
県庁前はひょうたん島の周りで一番きれいな所で、この下流に橋が架かるとヨットが出入りできなくなり、きれいな風景がなくなるのは残念です。こういう所は残して欲しい。港湾関係者も個人としてはこのきれいな風景を残すことに賛成しても、交通渋滞などを考えると現実的にはむずかしい。県庁前のヨットハーバーは徳島だけだと思います。もし東京都庁の前にこのようなものを造ると何兆円もかかるでしよう、是非とも残して欲しいと思っています。
●吉野川もきれいに
新町川など徳島市中心部の川は、吉野川の水を入れてきれいになっています。徳島市は全国で和歌山市と後ろから1位、2位を競い合うほど下水道の普及率が低い市で、下水道整備が遅れているために、川の水が汚れやすいのです。それでも吉野川の水を入れることできれいになりました。そこで、吉野川もきれいにしようと3年くらい前からクリーンアップを始めました。1万人もの人々が参加しますし、漁協関係者の協力で船を無料で出してもらっています。川が大きいだけにゴミもとても多く、1万人でもきれいになりません。また、吉野川横断の水泳も行っています。吉野川はlppmできれいですが、雨が少ない時は赤潮が出て汚くなります。もっときれいにしなくてはいけないと思っています。
また、お酒を飲んだり、音楽の演奏、ダンスなど吉野川で遊んでもらえるイベントも開いています。更に、吉野川の河川敷にも花を植えたいと建設省や市、県の方に申し込んでもなかなか認めてもらえませんでしたが、やっと認めてもらって来年から植えられるようになりました。
●住民が先頭に
住民が少しずつ動くと行政も応援してくれますし、川もきれいになってきます。水際公園ができて以来、どんどん公園ができ、家も川を向いてくるようになりました。もともと徳島では家は川の方に向いていたのです。ところが水上交通から陸上交通に変わり、川は裏側になって汚くなってしまいました。しかし、再び川がきれいになり、人々の目が川に向かうようになってきました。1年に数軒は川に向かう家が必ず建てられています。
行政はほっておいても応援してくますから、我々住民がまず先頭に立って行動すると素晴らしい街になると思います。