(2)情報化の発展段階
近年、マルチメディア時代の情報ツールとして、インターネットが爆発的に普及している。情報化の発展段階は、「ネットワーク化」「マルチメディア化」の2点からとらえることができるが、インターネットがこれほどに注目される理由は、インターネットが「ネットワーク化」を飛躍的に向上させ、非常に簡便に、多くのユーザに「マルチメディアデータ」を提供することを可能としたことである。
こうした情報化の発展段階について考察したものが図2-1-1である。
《ネットワークの発展段階》
・情報化の初期段階においては、パソコン等の情報通信機器が単体のスタンドアローンのシステムとして登場した(N1)。
・第2段階において、複数の端末機器を通信回線で結ぶ「ネットワーク化」が進展し、パソコン通信等の特定多数の利用者によるクローズドネットワークが出現した(N2)。
・こうしたクローズドなネットワーク同士を接続することにより、不特定多数のオープンなネットワークをグローバルに成立させたのがインターネットである(N3)。
《マルチメディア化》
・発展の第1段階は、情報の内容は1次元の文字(テキスト)である。
・第2段階では、2次元の画像情報の取扱いが可能となる。アプリケーションソフトなどでは、パソコン上で2次元の画像情報の取扱いは可能であったが、ネットワーク上で2次元の画像情報そのものを簡便にやりとりできるようになったのはインターネットのアクセスソフト(ブラウザ)の登場によるところが大きい。
・インターネットはさらに、音声、動画像を含む仮想3次元空間の取扱いを可能とした。
すなわち、インターネットの特徴とは、第1にネットワーク同士を接続することにより、全世界をひとつのネットワークとし、地理的、時間的な制約を受けない情報交換を可能としたこと、第2に画像などの取扱いに優れたWWW(World Wide Web)とそれを閲覧するブラウザの普及により、マルチメディアデータの取扱いを容易にしたことの2点である。インターネットは今後も、マルチメディア時代のプラットホーム(土台となる技術・環境)として活用が期待される。