自治体用
期日:平成9年11月14日
自治体名:鹿児島県里村
◆地域振興とその課題
地域の基幹産業である漁業は、捕る漁業からの脱却を目指し、つくり育てる漁業に取り組 んでいるが、漁業を取り巻く環境は厳しい現状である。
人口の減少により失われつつある活力を取り戻すために、交流人口の拡大をもくろんでおり、交流センター甑島館等の整備により、観光客は着実に増加の傾向にある。
観光は努力の結果が成果に表れる産業であり、今後大きな産業として育つ可能性があり、 観光振興に力を入れていきたい。しかし、離島にとっての最大の産業は、公共事業であることは否めない。
航路以外に他の交通手段のない隔絶された小離島では、航路の充実こそが産業の振興、医 療・福祉の充実、教育の振興の根幹になるものである。
なお、環境対策として、今後下水道整備(現在はゼロ)を図っていきたい。
◆港湾及び海上交通体系整備についての課題
港湾整備は着実に進んでいるが、今後は国際化の時代に対応できる港湾として、大型船が 寄港できるバースの整備が必要である。
観光振興等産業の振興を図る上での最大の課題は航路の充実であり、航路の充実は島民の 利便性向上と一体的であり、医療・福祉の充実でもある。
現状の航路は便数が少なく、県都である鹿児島市までの日帰りができない。朝、島を出発して、夕方帰れるような航路が必要である。また、料金についても高速船料金が割高である。
島民が島に住みつき、島外からの定住者が出てくるような航路改善を図り、甑島・串木野は通勤圏・通学圏になるような航路の充実が必要である。
(甑島商船(株)に対する要望)
?身障者、病人等に対する配慮がほしい。例えば、車椅子で乗降できる設備、急患等には船室の一部にカーテン等で間仕切りし、休めるスペースを確保する。
?切符の発売方法を研究し、乗客に無理のない購入ができるようにする必要がある。
?接客、応対などすべてにわたって真のサービス精神を忘れず、補助航路に甘えた経営姿勢を正し、自助努力により航路維持ができるよう営業活動を行い、利用客の拡大を図ることが必要である。