日本財団 図書館


議題内容

 

全体会議:転換期アジア経済と地域協力

 

?@新たな経済相互依存関係と経済構造の変革

?A都市開発とインフラ(通信、運輸、エネルギー、上下水道等)の整備

?B都市開発問題への取り組み

 

1990年代に、アジアの多くの国々は、外資を積極的に導入し、産業の高度化と生産の拡大を行い、分業体制を形成し、輸出促進を図ってきた。このため、アジア各国の経済はますます相互依存関係を深めてきた。しかし、1997年7月のタイの通貨不安に見られたように、多くの東南アジア諸国の急成長は過剰な外資導入と輸出不振のため、大幅な経済収支赤字となった。このため、アジア通貨安定のための金融制度や資本市場の整備と産業・経済構造の変革が求められている。

 

また、経済成長を維持するため、経済インフラ、特に都市インフラの整備が急務となっているが、都市化に伴う環境問題も大きな問題の一つとなっている。

本全体会議では、アジア通貨安定のための金融制度と資本市場整備、産業・経済構造の変革、新たな経済相互依存関係、経済インフラの整備、都市化と環境問題への取り組みなどを総合的に討議する。

 

分科会A:アジア地域の経済相互依存関係と経済構築の変革

 

?@アジア通貨の安定と金融システムの整備

?A域内の産業・経済構造の変革

?Bアジア諸国及び域外諸国との新たな協力

 

アジアの急激な経済成長は、1990年代前半に、産業、資本、技術、市場などの優位性をもつ国々が先頭群を走る、「群行型発展」によって押し進められてきた。その結果、複雑な分業ネットワークが形成され、ますます相互依存関係が緊密化してきた。しかし、タイ経済が1997年7月に通貨不安を引き起こしたように、東南アジア諸国の急成長は輸出不振と過剰な外貨導入を招き、大幅な経常収支赤字と高いインフレを引き起こした。これらの国々は、現在、為替レート切り下げ、金融制度、資本市場の改善、産業・経済構造の調整に取り組んでいる。

1997年9月に行われた一連の国際金融会議でアジア通貨危機の管理のための諸政策が議論され、アジア諸国の堅密な協力の重要性が強調された。

本分科会では、アジア通貨の安定のためにどのようにして金融システムを改善して行くのか、また域内の産業・経済構造をいかに調整していくのかについて議論する。さらに、このような問題に関し、アジア諸国および域外諸国がどのように協力していくべきかについて討論する。

 

分科会B:アジアの都市開発とインフラ(通信、運輸、エネルギー、上下水道)の整備

 

?@都市開発とインフラの需要予測(2010〜2020年)

?A民活インフラ事業(BOT、BOO等)と公的資金の効率的導入

?B金融制度と資本市場の整備

 

急速に膨張したアジアの主要都市は、共通した多くの都市問題を抱えている。その中でも深刻なのは急速な人口増と、進展する経済活動に追いつかない経済・社会インフラである。これらの都市では、通信、運輸、エネルギー、上下水道など今すぐ手をつけなければならない多くの問題を抱えている。

本分科会では、21世紀に向けて、アジア諸都市では、特にどの分野のインフラ整備が急がれいているのかを協議するとともに、アジアのインフラ整備に政府と民間が協力する民活インフラ事業の展開の可能性を探る。

さらに増大する資金需要に対応する金融制度とアジアの資本市場の整備についても話し合う。

 

分科会C:アジアのとし環境問題への取り組み

 

?@2010〜2020年までのアジアの都市環境問題の展望

?A都市環境問題に対する制作

?B都市環境問題解決への地域協力のあり方

 

アジア諸国の経済活動がこのまま持続されれば、アジアの環境が今後10〜20年で悪化の一途を辿ることは必至である。特に大気汚染、水質汚濁、緑地の減少、スラムの拡大など都市周辺の環境は加速度的に悪くなると予測されている。

過去、経済開発を優先して走ってきたアジア諸国の中には、まだ十分な環境対策を持っていない国も多い。環境対策に取り組み始めた国々に対し、日本は、政策立案、環境行政、技術移転など多方面での協力が期待される。本分科会ではアジア諸国の様々な環境問題、

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION