次に、列車運行シミュレータで用いる計算方式について述べる。
本シミュレータでは、通常よく用いられる微小時間間隔(Δt)方式を用いる。すなわち、時刻Tにおける列IFの加減速度が時刻T+Δtまで一定であるとして、列車の位置と速度を求める。加減速度は以下のようにして求める。
・車両条件の加減速度情報から、列車速度に応じて加減速度がきまる
・路線条件の曲線情報と勾配情報から、列車中心位置の曲線llR杭と勾配抵抗を求める
曲線抵抗=600/R R:曲線半径(m)
勾配抵抗=i i:勾配度(0/00)
・曲線抵抗と勾配抵抗を考慮した加減速度を求める
ただし、減速度は一定値(3.5km/h/S)とする
・なお、列車抵抗は地上と地下で異なるが、列車中心位置を基準としてきめる
ただし、地上と地下の境界は路線条件の坑口情報を用いる
一方、列車が加速するか減速するかは時刻Tにおける列車の目標速度と現在速度を比較して決定する。目標速度は以下のようにして求める。
・路線条件の速度制限情報から、列車中心位置での制限速度を求める
・列車に対する信号現示から制限速度を求める
これら2つの制限速度の低い方を目標速度とする。さらに本シミュレータでは列車毎に運転条件を付加できるようしている。これは任意の区間で制限速度を設定でき、列車中心位置が当該区間に進入したときから目標速度の設定に影響を及ぼす。運転条件の役割は以下の通りである。