2.1.3 乗客誘導による停車時分短縮効果
乗降状況および列車運行状況の測定データをもとに、乗客誘導により停車時分を短縮して列車の遅延が防止できる事例を調査する。乗客誘導の対象は以下の基準で選ぶ。
[第1の基準]
・乗車人数が15人以上で、かつ乗車可能人数が10人以下の車両から乗客を誘導する
出発時に非常に混雑すると予想される扉に対しては、乗車人数が14人になるまでは、案内すれば乗客を誘導できると考える
・乗車人数が14人以下で、かつ乗車可能人数が10人以上の車両へ乗客を誘導する
乗車人数が14人になるまでは誘導された乗客を乗車させることができるが、出発時に非常に混雑すると予想される場合は、乗客を誘導してはならないと考える
この考え方で求めた西葛西(平成8年10月21日、朝ラッシュ時)における誘導対象となる乗車人数を図2.1.3-1に示す。図で、正の人数は各扉において誘導により移動すべき人数(15人をこえる乗車人数)を、負の人数は同じく各扉で受け入れ可能な人数(乗車人数が14人になるまでの人数)をそれぞれあらわしている。次に、乗車人数が多くても計画された停車時分内で乗降できておれば誘導する必要はない。そこで、本調査では以下の基準で乗客誘導の対象をさらに絞り込む。