■地理
東経136°38'、北緯34°57'。二重県東北部に位置し、西は鈴鹿山系、東は伊勢湾に面す。古くから陸海交通の要衝として栄える。
■気候
温暖湿潤気候。冬は積雪もしばしば見られる。
■歴史
四日市市は、古くから「四日の市」に代表される商業の町として、あるいは、東海道の宿場町として繁栄してきた。明治になって、植物油、萬古焼、生糸、紡績などの諸産業が盛んとなり、先覚者の偉業によって港の修築も行われ、国内貿易はもとより、いち早く海外への門戸が開かれた。特に、1950年代には、特定重要港湾「四日市港」を基軸として日本有数の石油コンビナートが形成され、国民経済を支える産業都市として重要な役割を果たしてきた。
しかし、コンビナートの形成により、硫黄酸化物による大気汚染、油分による水質汚濁等の公害を引き起こし、1950年代末から70年代前半にかけて深刻な社会問題となった。公害による地域住民の被害はきわめて大きなものであったが、試行錯誤を繰り返しながらも、市民、行政、企業が一体となって対策に取り組み、環境改善に著しい成果を上げた。現在では多角的な環境分野の取り組みに着手し、特に、1990年代に入って登場した地球環境問題を前に、「環境保全型都市」づくりを目指し、努力がなされている。
また、公害克服の経験と関連技術の蓄積に基づいて、(財)国際環境技術移転研究センター(lCET)が1991年に設立され、先駆的な国際環境協力が勧められている。
■文化
東海道の宿場町として栄えた三重県最大の都市であり、県史跡の道標や観音院、善教寺など古社寺や文化遺産が多い。
全国の土鍋のほとんどは、四日市の萬古焼である。
オープンバザール、高音祭り、大四日市祭など1997年8月、四日市ドームが市北東部の霞ヶ浦緑地に完成した。
■教育
小学校40、中学24、高校14、大学1(四日市大学)、短大1
■インフラ整備状況
◆港湾: 特定重要港湾「四日市港」には、コンテナバースが1つあり、全長300m水深12mである。
◆道路: 東名阪自動車道(有料)、国道1号線、旧東海道、国道23号線
◆鉄道: JRの他、日本最大の私鉄である近鉄も走る。
◆下水道:普及率38.0%(1995年)
■経済活動
主要産業は石油化学、窯業、繊維工業。産業別就業人口の構成比をみると第一次産業2.6%、第三次産業42.1%、第三次産業54.3%となっている。製造晶出荷額は16,741億円(1994年)でそのうち石油化学が59.2%を占める。