■環境保全に係る法制度
市当局は、既に市の工業化により環境問題が生じることを予測しており、環境保護に関する法令が市評議会により発せられていた。その内の一つが総合的廃棄物処分.管理条例である。この条例は市政府により厳密に運用されている。もう一つの条例は各居住区および商業施設内のし尿処理に関するものである。この条例は居住区および商業施設内で発生する排水を市の排水系に未処理で放流することを禁じている。
これらの地域条例に加え、州政府は環境局を設置して当該地域の環境問題に取り組んでいる。
■持続可能な開発に関する経験
80年代末、パタンガス市は農業関連産業の地域的成長拠点と位置づけられていた。90年代の始めには、いくつかの産業が市の工業地区で操業を開始した。これら企業の影響を最初に受けたのは隣接する区域の住民たちで、事故により硫黄化合物等の汚染物質が住民の生活用水源に流入した。これが市の行政の注目するところとなり、その企業に、水質汚濁防止対策がなされるまで操業停止命令が出されることになった。住民に健康上の問題が発生したため、この間、保健関連の役所に対し警告が発せられた。
開発の進展につれ、市は企業の工場建設等の承認に当たっての事前の審査を一段と厳しくしている。投資家達は工場建設に関連するあらゆる条例、法令を遵守せねばならない。
■今後の方向性
バタンガス市の開発が進むに従い、環境問題は更に深刻になるであろう。市は対応に全力を注いでいる。市の将来は、政府および非政府組織、更に地域および国際組織の協力による環境問題への対処に懸っている。