■姉妹都市
レムチャバン港は北九州港と姉妹港である。
姉妹港交流の一環として1992年、1993年にレムチャバン港から北九州市にそれぞれ2名の研修生が派遣されている。
■環境の現状と課題
◆水質
レムチャバン港周辺の水質はおおむね良好である。
◆大気
現在のところ、工業団地からの大気汚染は問題となっていない。軽工業やハイテク等の産業が中心で環境に与える負荷が少ないためと考えられる。
◆廃棄物
工業団地のゴミは、団地内の焼却炉で焼却処分される。
◆今後の課題
レムチャバンは、港湾と工業団地を中心に近年めざましい発展を遂げている。今のところ目立った産業公害や環境破壊は見られないが、今後とも十分な公害予防対策が要求される。
■環境保全に係る法制度
1992年、公害法、環境法に係る基本制度の改革が行われ、それまでの1975年国家環境質向上保全法を廃止し、あらたに国家環境質向上保全法が制定された。また、公害・環境行政を積極的に推進するため、中央の環境行政庁を科学技術環境省として格上げし、行政組織の改革、変革も行われた。地方の環境行政を充実させるため、4ヶ所に地方分局が設置された。その他、汚染者負担の原則の導入や罰則の強化がなされるなど、今後、積極的な環境行政の推進が期待される。
工業省は、工場法を所管し、工場排水対策を行っているほか、有害物質法の一部にも関与している。工場法は1992年に改正されたが、環境法の制度に合わせて、公害防止の観点を取り入れたものになっている。
公衆衛生省の中に環境保健局があり、衛生.公害防止にあたっている。主として固形廃棄物(一般ごみ、一部の産業廃棄物)、し尿処理を担当しており、所掌事項の管理を行うにあたって、地方行政行政機関現地担当官を監督し、公害の排除に直接係わるようになっている。
■持続可能な開発に関する経験
レムチャバン港は、バンコク港の補完港としてタイにおける初めての本格的近代的なコンテナ港で、1987年から建設が開始された。港湾を中心とした都市域の拡大、およびそれに伴う環境の悪化が予想されるため、早くから環境に配慮した開発を行ってきた。港湾には環境専門のスタッフを配置し、水質分析装置や排水処理設備を設けている。また、1992、1998年には北九州市にタイ港湾公社職員を派遣し環境保全に関する研修を行っている。後背地の工業団地には2万t/日の能力を持つ中央排水処理施設、8t/日の焼却施設がある。
■今後の方向性
レムチャバン港は、タイの産業発展と対外貿易の中心的役割を果たすであろう。
連絡先
Project and Planning Department,
Leam Chabang Port
Sri―racha, Chonburi 20230, Thailand
Phone: +66-38-490000
Fax: +66-38-490142