行の義務を遂行する助けとして、家庭外の非伝統的な形での支援が必要になるだろう。人道面の懸念は、高齢者向けのケア・プログラムや開発プログラムの可能性を広げる政策によって補われている。退職年齢の引き上げや、高齢労働者向けの再訓練プログラムの様な高齢者の雇用を促進する努力は、高齢者の個人的開と、国家の経済的発展の両方に寄与している。高齢者の共同体参加を進める様々な社会プログラムも、高齢者のイメージを向上させている。
最後に、高齢者自身にも、高齢化社会で彼ら自身の可能性を探る責任がある。2030年までに、人口の1/4が高齢者となり、今日と未来の高齢者の態度・準備・管理は、国家の将来に莫大な影響を投げかけるだろう。彼らが生産的な高齢化に向けて積極的に生活することを選択するか、または、高齢化のマイナスの固定観念に屈したままでいるかは、将来の健康への支出の増額規模、および将来の高齢者向けサービスの種類の需要に影響を与えるだろう。うまくいけば、将来、もはや60歳は高齢者の分岐点とは考えられず、健康な生活様式と良い保健予防制度があって、ほとんどの人がまだ健康で、働いていて、人生の黄金期に自立した生活を楽しんでいることが期待される。
<引用文献>
・シンガポール高齢者諮問評議会「高齢者向けコミュニティ・ケア・プログラム」(1988年)
・Asher、Mukul G.「マレーシアおよびシンガポールの社会保障:慣行、問題、改革の方向」(マレーシア・戦略的国際調査機関・1994年)
・Asher、Mukul G.「シンガポールにおける強制的貯蓄:福祉国家に代わる政策」(政策分析のための国立センター・テキサス州グラス・1995年)
<注>
(1998年2月20現在)
注1) USドル:1ドル=1.637シンガポール・ドル(Sドル)
日本円:100円=1.284シンガポール・ドル(Sドル)
注2) ケアギバー:介護等を提供する側の人