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ケアプログラムを利用できる。しかし、これらのサービスの完全な利用と開発のために、いくつかの問題に対処する必要がある。

 

サービス提供者が直面する問題の一つは、高齢者およびケアギバーのサービスの認識の欠如である。1995年の調査では、60歳以上の高齢者の56.4%が知っている高齢者クラブを除いては、デイケア、カウンセリング・サービス、ホットライン・サービス、食事の配達、フレンドシップ・サービスなどの他のサービスの認識率は、7.7%から15.9%の間の低いものだった。これらのサービスを利用しているのは、それよりもさらに低い割合である。

例えば、デイケアセンターの利用は、交通手段の有無、開所時間、料金といった要因により影響される。ほとんどのセンターが提供する交通手段は限られた地域内だけで、この事が、これらの地域外に住む高齢者のセンターの利用を阻んでいる。

 

さらに、通常午前8時から午後6時の開所時間は、高齢の親の送迎をする子供にとって時には不便なこともある。歩行できる高齢者の多くは、また、サービス料金の支払の必要にその気をなくし、デイセンターのレクリエーション活動に参加するよりは、家に一人でいる方を選択している。たいていのデイセンターでは、補助金を受けており、月に約200ドルの料金を課している。時には、高齢者をこれらのセンターに送り料金を支払っている子供は、参加する前に、高齢者にこれは無料サービスだと嘘をつかなければならない者もいた。これと対照的に、デイケアセンターに高齢者を連れていくのは「親不孝」で不名誉だと感じて、家庭で外国人のメードを雇い、高齢者の世話をさせた方がいいと考える者もいる。

このため、共同体に基礎を置くサービスが高齢者とその家族の利益となる様にするためには、同時にこれらのサービスの認識を高める必要がある。特に低所得層で、識字率の低い家庭で、サービスの必要性が高いと思われる高齢者のいる家庭に対して、この接触の努力をしなければならない。サービスは、高齢者がもっと利用しやすい様にする必要がある。これには、場所の便利さ・交通・サービスセンターの開所時間・適当な料金の問題が含まれている。

 

 

 

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